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<北朝鮮内部>ついに一部農村で飢餓発生 「絶糧世帯」増加で慌てる当局

7/22(日) 5:10配信

アジアプレス・ネットワーク

◆生産者の農民が飢える

「絶糧世帯」。お金も食べ物もまったくなくなった家庭のことを、北朝鮮ではこのように呼ぶ。

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9月のトウモロコシ収穫までの端境期である今、北朝鮮各地の協同農場で、この「絶糧世帯」が増え、当局を慌てさせている。

北部の両江道(リャンガンド)に住む取材協力者は、6月末に農村の現地調査に訪れた後、次のように困窮ぶりを伝えてきた。

「私が訪問した〇〇農場では『絶糧世帯』が増えて、道、市の幹部たちが一人当たり1-2軒の家を(餓死者が出ないよう)担当を命じられているほどだった。食べ物の尽きた農民たちに聞くと、ジャガイモ畑で鳥の卵ほどの小さなジャガイモを2-3個掘り起こして食べる日々だと言っていた」

◆ガリガリだった子供にショック

7月初めに咸鏡北道(ハムギョンプクド)のセッピョル郡の農村調査に赴いた別の取材協力者は、惨状にショックを受けたとして、次のように伝えてきた。

「ある粗末な家に行くと、農場員の息子が今年初めに結核で亡くなり、老母が幼い孫と暮らしていた。お金も食べ物も尽きて、近所の家からトウモロコシ3キロを借りて凌いでいると言っていたが、ちょうど貸した家の主人がトウモロコシを返せと催促にやって来た。子供はガリガリだった」

見かねた協力者は、コメ10キロ市場で買って置いてきたというが、
「もうコチェビ(ホームレス)同然という感じだった。あのままでは長くないかもしれない」
と述べた。

農場員の暮らしが悲惨だという報告は枚挙に暇がない。病弱者や老人だけの世帯には飢えて亡くなる人も出ているという情報もある。

では、なぜ生産者である農民が食べ物に事欠くのか? 北朝鮮は今も集団農業を続けているが、耕作地ごとに国家や軍隊に納める「計画量」が課される。それを上回る生産分は、農民が自由に処分できるのだが、「『計画量』の設定が高過ぎるうえ、昨年の干ばつの影響で、どの農場も生産不振だった。

にもかかわらず、農場の幹部たちは、上層部から強い「計画量」達成の圧力にさられる。そのため、農場員の暮らしぶりに関係なく、規定の「計画量」を無理に徴発する。農民たちは、一年働いて得られる分配では食べていけず、春からトウモロコシの収穫が始まる9月まで、「絶糧状態」になる世帯が続出することになるのだ。(カン・ジウォン/石丸次郎)

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