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札幌延伸への布石? 大宮始発の新幹線「はやぶさ101号」が狙うのは

7/22(日) 14:10配信

乗りものニュース

大宮→函館が約4時間

 開業から3年目を迎えた北海道新幹線に、2018年6月から新たな列車が登場しています。北海道の観光シーズンに合わせて6月23日(土)と30日(土)に運行された、大宮始発の東北・北海道新幹線「はやぶさ101号」新函館北斗行きです。北海道内での滞在時間を延ばすために定期列車よりも早い時刻に到着する設定が特徴です。

【写真】大宮始発「はやぶさ」を告知する駅のポスター

 大宮始発の臨時新幹線は2017年から新青森行きとして運行されていますが、北海道新幹線まで乗り入れる列車は今回が初めて。7月5日付の『東京新聞』によると、同紙の取材に対してJR東日本関係者は、大宮始発列車の乗車率は8割以上と好調で、夏休みや大型連休だけでなく今後は閑散期にも拡大していきたいとしています。

 JR東日本がなぜここまで力を入れているのかというと、大宮始発の新幹線は単なる多客期の臨時列車ではなく、航空機に対抗するための戦略的な位置付けの列車となっているからです。

 大宮始発の臨時「はやぶさ101号」は、大宮を朝6時ちょうどに出発し、新函館北斗に9時41分に到着します。函館本線の臨時「はこだてライナー」に接続し、函館到着は10時9分です。

 定期の一番列車「はやぶさ1号」は東京6時32分発、大宮6時58分発、新函館北斗10時57分着。乗り換えて函館には11時25分に到着しますから、「はやぶさ101号」を使えば1時間15分も早く到着することができます。

臨時「101号」と定期「1号」、性格の違いは停車駅でも

 両列車の性格の違いは停車駅にも表れています。「はやぶさ1号」は東京と盛岡以北を結ぶ一番列車となるため、上野、大宮、仙台と、盛岡から先はいわて沼宮内を除くすべての駅に停車します。一方の「はやぶさ101号」は速達性を優先しているため、途中は仙台、盛岡、新青森にしか停車しません。

 東海道・山陽新幹線の東京~広島間と、東北・秋田新幹線の東京~秋田間が新幹線と航空機のシェアが半々であったことから、所要時間4時間の区間までは新幹線が優位とした「4時間の壁」という言葉が作られました。

 大宮を6時に出発して函館まで4時間で結ぶ「はやぶさ101号」に対して、大宮駅前を5時30分に出発する羽田空港行き高速バスを利用して、羽田空港から函館空港まで航空機を利用すると函館駅前に9時過ぎに到着します。所要時間で30分、到着時刻で1時間の差がありますが、「はやぶさ1号」と比べれば十分競争力があります。

 さらに「はやぶさ101号」は、モバイルSuicaを用いたチケットレス特急券「スーパーモバトクスペシャル」で大宮~新函館北斗間9940円と、通常の半額以下の特別価格が設定されています。発売は乗車日の1か月前から21日前までです。航空機を早期購入割引で購入すると21日前で片道1万6000~1万8000円、75日前でようやく1万円前後で、空港までの運賃を考慮すると、飛行機よりも安くなる画期的な料金設定となっています。まさに、航空機に真っ向から勝負を挑むための臨時列車だと言えるでしょう。

 新幹線は東京始発着でないと訴求力が不足するとされ、これまで大宮始発列車はなかなか設定されませんでした。しかし、東京~大宮間は東北・上越・北陸新幹線が複線の線路を共有しているため、ピーク時にこれ以上の増発が難しいという問題と、青函トンネルの速度制限などにより高速化が遅れている北海道新幹線の競争力を向上しなければならないという課題を解決するためには、これまでとは違ったやり方を取り入れるしかありません。

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