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悩みながらも進む3人「等々力で集大成を」

7/24(火) 12:53配信

カナロコ by 神奈川新聞

【KーPerson】SHISHAMO

 サッカーJ1・川崎フロンターレのサポーターの姿から生まれた「明日も」のヒットで全国区になったロックバンド「SHISHAMO」が28日、イレブンの本拠地・等々力陸上競技場(川崎市中原区)で初の単独スタジアム公演「SHISHAMO NO 夏MATSURI!!! ~ただいま川崎2018~」を開く。

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 市立川崎総合科学高校(同市幸区)の軽音楽部に所属していたギター・ボーカル、宮崎朝子とドラムの吉川美冴貴らで結成。顧問の菊田直史先生が行きつけのとんかつ店「華家(はなや)」(同市高津区)でオリジナル曲を流したところ、音楽関係者の耳に留まり、2013年にアルバム「SHISHAMO」でCDデビューした。年2回の全国ツアーと、音源制作に力を入れ、成長を続けている。

 11月に迎える5周年の節目を前に、「私たちが生まれた街に、ファンを招待したい」と「明日も」のミュージックビデオを撮影した等々力でのライブを発案。同市の市民文化大使でもある3人の凱旋(がいせん)を地元も盛り上げる。

 「一日中、お祭り気分に」。会場の外には、メンバーゆかりの店舗の屋台が並ぶ。同市市民ミュージアム内では、衣装や写真などを展示した企画展を29日まで実施。川崎育ちの宮崎は「(市民ミュージアムは)小学校の課外授業で行く場所。平間児童プールで行った撮影では、衣装のままプールに落ちてしまった。並んでいる全てに大切な思い出がある」と感慨深げだ。

 「次々に生まれる壁を乗り越えることに、必死だった」と口をそろえる。中でもベースの松岡彩は、初ライブまで1カ月を切っていた14年9月に加入。「記憶がない」ほど猛練習し、迎えた初日は本番直前に涙があふれた。最後方から支える吉川は、最前列の客が泣きながら手拍子する姿を見て「この先、何があっても、この3人でやっていこうと覚悟した」と振り返った。

 最新作「SHISHAMO 5」に収録した「私の夜明け」は、「毎日一生懸命生きて、傷ついている人に届けたい」と宮崎が初めて心の内を歌詞にした。「毎回自分に刺さりながら歌っている」。ぶつかり、悩みながらも進む3人。「等々力で、集大成を見せたい」と意気込んだ。

◆ししゃも ロックバンド。いずれも1994年生まれのギター・ボーカル、宮崎朝子(みやざき・あさこ)と、ドラムの吉川美冴貴(よしかわ・みさき)、96年生まれのベース、松岡彩(まつおか・あや)の3人組。2013年11月にデビューし、16年1月に日本武道館でワンマンライブを開催。17年には「NHK紅白歌合戦」に初出場した。川崎市市民ミュージアムで29日まで写真や衣装などを展示(無料)。「SHISHAMO NO 夏MATSURI!!! ~ただいま川崎2018~」は等々力陸上競技場で28日午後5時開演。全席指定6500円(3歳以上有料)。問い合わせはディスクガレージ電話050(5553)0888(平日正午~午後7時)。

◆記者の一言 東京・NHKホールで3月に行われたライブで「私の夜明け」を聴いた。〈生きることは傷つくこと〉。宮崎さんが初めて自分の心を明かしたという歌詞をノートに書き留めながら、言葉が刺さりペンが止まる瞬間があった。「私もどっちかっていうと、器用じゃないから」。23歳の彼女の心にある痛みを想像し、胸がズキンとした。彼の部屋で前の彼女のにおいを感じた「あの娘の城」など情景が浮かぶ歌詞が魅力だ。ライブでは、描いた場面の言葉を輝かせる3人の演奏に目を奪われる。迷ったときは軽音楽部で顧問を続ける菊田先生の元を訪れる。「先生にしか話せないこともある」と宮崎さん。吉川さんは後輩が良い環境で演奏できるよう、定期的に母校へ足を運んでドラムのチューニングをするのだそう。