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名前入りゲームソフトを持ち主に返したい

7/25(水) 11:11配信

BuzzFeed Japan

名前の書かれたゲームソフトを持ち主に返したい――。そんな思いでカセットの収集に取り組む人がいる。「名前入りカセット博物館」の館長、関純治さん(45)だ。普通のコレクターなら「ジャンク品」として避けて通るはずの名前入りソフトを千本以上も集め、そのうち800本の情報をネットに公開している。一風変わった活動に込められた思いとは。BuzzFeedは関さんに話を聞いた。【BuzzFeed Japan / 神庭亮介】

【写真】名前入りファミコンカセットが懐かしすぎて目から汗が止まらない

キッカケは「リンクの冒険」

関さんの本業は、スマホ向けゲームなどを開発する「ハッピーミール株式会社」の社長。子どものころからファミコンが大好きで、1991年ごろからソフトを買い集め始めた。

当初は発売されている全タイトルのコンプリートを目指していたが、すでに達成している人がいることを知り、コレクションへの情熱が急速に冷めていくのを感じていた。

再び意欲を取り戻す転機となったのが、2003年10月に米サンディエゴのゲーム店で見つけた、NES(海外版ファミコン)の「リンクの冒険」だった。

金色に輝くソフトを裏返すと、「Teresa」と持ち主と思しき名前が書かれていた。美品を求めるコレクターにとっては本来、邪魔でしかないものだ。

「買うのはやめよう」と脇に置きかけて、ふと気づいた。

「アメリカ人も名前を書くのか!」

カセットの裏に名前を書くのは、日本人だけの感覚だと思い込んでいた。

「これって世界共通なんだ。いままで避けてきたけど、名前入りの方がむしろレアなんじゃないか」

その瞬間、コレクションの新たな方向性が決まった。

残留思念を味わい尽くす

名前入りカセットの醍醐味は、「残留思念」を味わい、空想をめぐらせることにある。

「これなんか、持ち主はきっとひょうきんなヤツですよ。活発で、クラスの人気者だったんじゃないかな」

そういって関さんが取り出したのが「新人類」のソフトだ。

大きなシールが何枚も貼ってあり、タイトルが読めなくなってしまったものだから、裏側に自分の文字で「新人類だよ」と書いてある。

だったら、最初からタイトル隠すなよ! と言いたくなる、ツッコミどころ満載な一品だ。

あまり女子受けしないゲームに、なぜか女の子の名前が書かれている、なんてことも。

「もしかするとお兄ちゃんに『面白いぞ』ってだまされたのかもしれない。当時、ファミコンソフトを手に入れられる機会と言ったら、誕生日とクリスマス、あとはお年玉ぐらい。でも兄妹がいればその枠を2倍にできますからね」

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最終更新:7/25(水) 17:46
BuzzFeed Japan