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太陽光パネル市場は縮小も、「PPAモデル」は急成長か

7/26(木) 7:10配信

スマートジャパン

 調査会社の富士経済は2018年7月、太陽電池および太陽光発電関連市場を調査し、結果を「2018年版 太陽電池関連技術・市場の現状と将来展望」にまとめた(調査期間2018年3~6月)。

国内の太陽電池市場の推移予測 出典:富士経済

 太陽光発電の世界市場は2014年以降、中国、米国、日本の3カ国がけん引してきたが、モジュール価格の下落によって太陽光発電の導入ハードルが低くなり、需要地は新興国を含め世界各地に広がっている。2017年は中国が突出した導入量を達成したこともあり、出力ベースでは初めて10万MW(メガワット)を突破した。参入企業の多くは、中国の需要が落ち着くことを予想しつつも、設備増強の計画を進めている。今後金額ベースでは縮小が予想されるが、出力ベースでは低価格化が需要を広げることが見込まれる。2030年の市場規模は出力ベースで2018年比11.6%増の率13万5000MW、金額ベースでは同21.2%減の4兆9080億円と予測している。

 一方、国内市場は、2017年度が改正FIT法の施行に伴う認定の遅れや、施工・販売側で法改正の対応に追われるなどの混乱が生じた。その影響を工期が短い住宅用や低圧用が受け、市場は縮小した。2018年度以降市場は、6000~7000MWで推移すると予想される。今後は自家消費モデルなど、ポストFITに向けた動きが市場を左右するとみられる。2030年度の予想は2018年度比17.9%減の6400MW、金額ベースでは同29.7%減の3840億円と、ともに縮小するとみている。

 2017年度に本格的に立ち上がった太陽光発電設備を用いた電力小売事業であるPPA(Power Purchase Agreement)モデルの国内市場規模は前年度比6倍となる2018年度12億円を見込み、2030年度には同411.5倍の823億円と、大幅な拡大を予測している。PPAモデルは、初期投資を事業者側が負担するため建物の選別が重要となる。多くは新築、既築であっても築年数の浅い建物が適用される。FIT制度のない米国で普及した事業モデルのため、FIT価格に左右されにくい側面を持つと考えられ、今後の普及が期待される。ただし現状では、FIT売電を前提としたものが多く、いかに太陽光発電の導入コストを下げていくかが市場の動向を左右するとみられる。

 O&Mサービス(太陽光発電システムが稼働した後に運営・保守などを提供する非住宅向けのサービスを対象)の国内市場は、発電量の管理から法定点検、緊急時の電気工事対応、草刈りや太陽電池モジュールの洗浄といった、発電所の管理などを含めて、2018年度は前年度比18.1%増の567億円を見込む。2030年度には同2.6倍の1225億円を予測している。これまでは、発電事業における需要が大きかったが、今後は高圧ミドルや低圧ミドルにおける需要が増えるとみられる。

 また、改正FIT法の施行により太陽光発電所の適切な運用・保守を求める項目が盛り込まれたことも需要の増加につながる。今後はO&Mサービスの導入率を高めていくために、適切な運用・保守の具体的な方法を定めて厳格化する制度の強化や、O&Mサービスのさらなる低価格化が進むとの見方だ。

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