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フェイスブック株価急落、決算会見の衝撃

7/27(金) 8:17配信

ウォール・ストリート・ジャーナル日本版

 誰も止められないように見えたフェイスブックの成長神話に疑念を生じさせた問題の電話会見は、普段と変わらない雰囲気で始まった。

 25日引け後に発表されたフェイスブックの4-6月期(第2四半期)決算は、売上高がわずかに市場予想に届かず、株価は発表直後の時間外取引で10%近く下げていた。米東部時間午後5時、マーク・ザッカーバーグ最高経営責任者(CEO)は会見の冒頭、「堅調な四半期」だったと総括。傘下の写真共有サイト、インスタグラムについて「素晴らしい成功」と胸を張り、フェイスブック傘下に入ったことで、独立で事業を継続していた場合よりも2倍のペースで成長しているとの考えを示した。会見開始から12分後、シェリル・サンドバーグ最高執行責任者(COO)も加わり、いつも通り、広告主がいかに同社のさまざまな広告ツールを活用しているか、多くの事例を並べて説明した。

 ここまでは、何か大きな問題があるような兆候は見受けられなかった。

 だが、午後5時20分頃、状況が一変する。口を開いたデーブ・ウェーナー最高財務責任者(CFO)から次々と衝撃の発言が飛び出してきたのだ。これに投資家が動揺し、フェイスブックの強力なドル箱も、いよいよ調子が狂い始めたとの懸念が高まった。

 ウェーナー氏はまず、欧州では広告収入の伸びが世界のどこよりも減速していると明らかにした。欧州で5月に施行された「一般データ保護規制(GDPR)」が影響しているという。GDPRの影響はあっても最小限にとどまるとの見方が大勢だったため、そのコメントはやや耳障りだった。

 次にウェーナー氏は、売上高全体の伸び鈍化は4-6月期だけでなく、7-9月期、10-12月期も続くだろうと述べた。「為替の逆風」やユーザー向けの新たなプライバシー保護措置が背景にあると説明した。だがそれだけではなかった。インスタグラムの「ストーリー」などで使われる新たな広告フォーマットについて、フェイスブックやインスタグラムのフィード上で表示される広告と同じ程度の収入は得られていないと明らかにしたのだ。

 ストーリーに関するこの発言は、多くのアナリストや投資家の不意を突くものだった。フェイスブック幹部はこれまで、ストーリーの利用状況は好調で、来年には、ユーザーが単にフィードを眺める時間を上回るだろうとの見方を示してきた。ストーリーでは、ユーザーが投稿した写真や動画が24時間以内に消滅する。フィードに表示される広告は、フェイスブックの広告収入の大部分を占める。だが、同社幹部はここにきて、ユーザーは収益性の低い商品に一段と多くの時間を割いていると言うのだ。

 ウェーナー氏はさらに、セキュリティー対策強化に絡む投資により、営業利益率は今後数年に現在の約44%から30%台半ばに低下するとの見方を示した。

 質疑応答が始まった5時半頃には、フェイスブック株の下げ幅は16%に拡大していた。

 アナリストは、売上高や成長を巡るウェーナー氏の発言の意味をうまく理解できずにいた。

 ウェーナー、サンドバーグ両氏は、欧州のGDPRについて、まだすべての影響は現れていないと語った。ウェーナー氏はプライバシー保護強化に向けた商品の変更により、売上高の伸びは鈍るとの見方を示した。

 果たしてストーリーは、「ニュースフィード」と同じペースで収益を確保できるのか。サンドバーグ氏はこうした質問に「正直言って分からない。動向を見守るしかない」と回答。企業が新たな広告ツールを採用するには時間を要するなどとして、「収益化を極めて楽観する十分な理由がある」と述べた。

 だが、投資家はこうした見解に懐疑的なようだ。

 午後5時52分頃までには、株価は24%安の164.99ドルまで売り込まれた。その後は下げ幅をやや縮めた。

 電話会見が終盤にさしかかった頃、ジェフリーズのアナリスト、ブレント・ティル氏は「広告主などからのフィードバックが極めて良好な状況を踏まえると、多くの投資家にとって、このような減速は理解しがたい」と問いかけた。「その度合いはこれまでに見たことのない水準だ」

 これに対し、サンドバーグ氏はこう答えた。「成長のペースは鈍化しているが、今でも成長を続けているし、この先も非常に健全なペースで成長すると予測している」

 アナリストの多くは、フェイスブックが今回も好調な決算を発表すると見込んでいただけに、電話会見での一連の出来事は驚くべき変化だった。フェイスブックにも限界があるのか、アナリストは考える必要が出てきた。

 ピボタル・リサーチのアナリスト、ブライアン・ウィーザー氏は「広告業界、そしてネット広告も同様に、成長には限界がある」と指摘。「フェイスブックはなお急成長を遂げているが、30%以上の伸びをたたき出す日々はもう長くは続かない」と述べる。同氏はフェイスブックの投資評価を決算発表前から「売り」としている。

By Deepa Seetharaman