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なぜ? 突然、電気が消える電車 だが誰も動じない、関門トンネルの日常風景

7/29(日) 12:10配信

乗りものニュース

「切替点」通過時に発生

乗りものニュース

 昼だろうと夜だろうと、電車の車内照明がアナウンスなしで突然、消灯。しかし乗客は、ほぼ全員が何事もなかったようにしている――。そんな特異な光景が“日常”になっている場所があります。

【地図】「交」「直」が変わる場所

 関門海峡の下を通り、本州と九州を結ぶ関門トンネル。その九州側入口付近にある門司駅(北九州市門司区)を境として、架線に流れている電気が、九州側は「交流2万ボルト60ヘルツ」、山口県下関市へ至る本州(関門トンネル)側は「直流1500ボルト」と異なります。「架線」とは、線路上空に張られている、電車へ、その走行に必要な電気を供給するための電線のことです。

 この「交流」と「直流」の切替点を通過するとき、電車の構造上の理由から、車内の照明が消えるのです。

 こうした「交流」「直流」の切替点は日本にいくつかあり、そこを通過するとき、比較的新しい電車では車内照明が消えなくなっていますが(常磐線の茨城県内・取手~藤代間など)、関門トンネルの普通列車に使われる電車は、おもに40歳にもなる車両たち(415系交直流電車)。いまなお車内の照明が消えており、それが“日常”で“当たり前”になっています。

「交流」と「直流」の電気には、それぞれメリットとデメリットがあり、路線の状況や時代によって、適切なほうが採用されてきました。また、「交流」と「直流」の架線はじかに接続できないため、あいだに「デッドセクション(死電区間)」という、電気が流れていない部分を挟みます。「交流~デッドセクション~直流」というイメージです。

 ちなみに、門司駅から関門トンネルを通って、本州の下関駅へ向かう前、門司駅に停車しているときも、車内照明が消えます。発車直後に行う「交直転換」のテストをするためです。

恵 知仁(鉄道ライター)

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