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人生はドラクエ? 勇者でなくてもゲームは楽しめる 福岡在住の“おうさま”に聞いた

7/31(火) 10:06配信

qBiz 西日本新聞経済電子版

 暑い。食欲は出ないし、駅まで歩くのも一苦労だ。

 うまく進まない仕事がある。必要なデータもコメントも取れていない。締め切りだけがどんどん迫る。

 夏休みは子どもが家にいるから、いろいろ計画したり、相手をしたり大変だ。もちろん子どもはかわいいけど、こっちの気力と体力、そして財布の中身が足りない…。

 と、こんな感じになっている人はいませんか。

 子ども時代の夏休み、一日中ファミコン(ファミリーコンピューター)に興じてしまった人も多いだろう。とりわけ、前回のコラムで少し触れたドラゴンクエスト。敵を倒してレベルを上げ、より強い装備を手に入れ、エンディングを目指す…。宿題そっちのけで熱中した。

 あれから30年ほどが過ぎ、こういう本に出会った。「人生ドラクエ化マニュアル」。3年前に出た本だが、その帯に、はっとさせられる。

<定価5500円のTVゲームに、面白さで負ける人生を送って、どうする!>。ちなみに5500円は、初代ドラクエのソフトの価格だ。

 著者は、ドラクエを制作したエニックス(当時)の元社員という、JUNZO氏。現在、なんと福岡市に住んでいるという。記者がメールを送り、「ドラクエが好きで」と伝えると、返信にはこうあった。

 「冒険仲間ですね!」。ぼ、ぼうけんなかま?

「目的」「ルール」「敵」があればゲーム

 本名、年齢は非公表のJUNZO氏。天神でお目にかかると、別に「くさりかたびら」や「みかがみのたて」のコスプレをしているわけではなく、普通に「ぬののふく」を着た落ち着いた雰囲気の方だった。

 父親は「はがねのつるぎ」の素材を作る(?)新日鉄八幡製鉄所(現新日鉄住金)で働いていた。北九州市八幡西区穴生の社宅で育ち、「当然のように会社員になるだろう」と思っていた。進学校だった高校から大学に進学。元々ゲーム好きで、1980年代中ごろ、新卒でコナミに入社し、その後エニックスに転職した。

 そのエニックスで、入社直後に上司から出された課題が、JUNZO氏の一生を決めることになる。「ゲームとは何か、をレポートにまとめて」

 最初はあれこれ考えて、もっともらしい説明を書いてみた。でも上司の表情は冴えない。悩んだJUNZO氏、さらに考え抜く中で、一つの結論が「降りてきた」。

 <ゲームとは、「目的」を達成するための「ルール」にのっとった「敵」との楽しい戦い>

 JUNZO氏は気付いた。目的とルールと敵。この三つがあれば、それはゲームだ。つまりリアルの人生そのものも、ゲームじゃないか。ゲームを作っている場合じゃない。自分がゲームを楽しまないと――。

 「やりたいことを全部やろう」とエニックスを退社して、個人事業主に。まず芸能人などのテレビ、イベント出演情報をまとめた情報誌を出版(のちにウェブサービス版も)し、その後、音声認識機能を搭載した時計内蔵の電子ペットを開発した。どれもビジネスの「ルール」にのっとり、「敵」(芸能プロダクショやメーカーなど)とのやりとりを楽しみ、発行や発売という「目的」を達成する、そんなゲーム感覚で取り組んだ。

 そんな中で起きたのが、2011年の東日本大震災と福島第1原発の事故。発生から半年後、福岡市に移住し、ここで長年あたためていた「人生ドラクエ化」を本にまとめた。

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