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トランプ政権が農家救済、貿易戦争が支持率高い地域に悪影響という皮肉

8/2(木) 8:00配信

THE PAGE

 米中貿易戦争によって、米国内の農家に悪影響が出てきていることから、トランプ政権は農家に対する救済策の実施に乗り出しました。トランプ政権による貿易戦争の悪影響は、トランプ氏に対する支持率が高い地域で顕著になっているという皮肉な現実があります。トランプ政権は大規模な救済策で乗り切る構えですが、実害が顕在化したことは、今後の政権運営にも微妙な影響を与えそうです。

大豆価格暴落で農家に大きな打撃

 米国政府は7月24日、大豆やとうもろこしなどを生産する農家に対して、総額120億ドル(1兆3000億円)の支援策を実施すると発表しました。

 米国は7月6日、中国による知的財産権侵害を理由に340億ドル相当の中国製品に対して25%の追加関税を課す制裁措置を発動。中国も即座に同規模の追加関税措置を発動し、両国は事実上の貿易戦争へと突入しました。中国と米国を比較すると、米国は中国に対して3700億ドルの輸入超過となっており、貿易戦争は米国に有利とされてきました。しかし、これはあくまでマクロ的な話であって、各業界がどのような影響を受けるのかはまた別の話です。

 米国の中国に対する主要な輸出品のひとつに大豆などの農作物がありますが、商品市場では米中貿易戦争勃発を受けて大豆価格が暴落し、農家は大きな打撃を受けています。中国は大豆に関税をかけていますから、本来なら大豆が高くなって中国が困るはずですが、大豆価格が暴落したため、中国側は影響を受けず、米国の農家がピンチに陥ってしまいました。

自動車業界にも不満の声

 同様に自動車業界にも不満の声が高まっています。米国の自動車産業にとって中国は有力な輸出先ですから、今後、輸出が低迷するといろいろと問題が生じてきます。

 米国において農業がもっとも盛んなのはコーンベルトと呼ばれる中西部一帯ですが、実はこのエリアは、自動車産業の集積地でもあり、多くの自動車メーカーが本社や工場を構えています。困ったことに中西部におけるトランプ氏の支持率は高く、トランプ氏が貿易戦争に積極的になればなるほど、支持者が多い地域の産業に悪影響を及ぼしてしまいます。

 今回の大規模支援は、とりあえず金銭的な支援を行うことで、支持率を維持する目論見と考えられますが、影響が自動車産業に及んできた場合には、こうした支援にも限界があるでしょう。支持率の動向次第では、米中間で落としどころを探る動きが出てくるかもしれません。

(The Capital Tribune Japan)

最終更新:8/2(木) 8:00
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