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ANA、国際線も欠航 9月から212便、787エンジン問題余波

8/2(木) 15:21配信

Aviation Wire

 全日本空輸(ANA/NH)は8月2日、ボーイング787型機が使用するエンジンの整備作業の影響により、国際線の一部も欠航すると発表した。成田-ロサンゼルスと香港線、中部-香港線の3路線が対象で、9月1日から10月27日の一部期間を欠航する。57日間で212便を欠航し、約1万6500人に影響が出る見通し。

◆787路線で機材繰り

 1日2往復運航の成田-ロサンゼルス線のうち、欠航の対象となるのは、成田を午後4時台に出発するNH176便と、午後3時台に到着するNH175便。9月7日と10日、14日、18日、19日、21日から30日、10月2日、4日、6日、8日から27日まで、計76便の運航を取り止める。

 成田-香港線は1日2往復のうち、ANAと同じくANAホールディングス(9202)傘下のエアージャパン(AJX/NQ)が運航する、NH809便とNH810便を欠航。9月1日から27日まで、計54便の運航を取り止める。

 1日1往復の中部-香港線は、9月1日から27日と、10月14日から27日まで、計82便を欠航する。

 今回の欠航の対象となる、成田-ロサンゼルス線には777-300ERを、成田-香港線には767-300ERを、中部-香港線には737-800を投入している。これらの機材を787などで運航する国際線に代替投入し、機材繰りが発生することで、3路線の一部を欠航する。

◆9月以降1日600人に

 ANAは787のエンジン整備の影響により、7月6日から国内線の一部を欠航。現在公表している8月31日まで、累計で989便が欠航し、約15万9000人に影響が出る見通し。今回のエンジン整備が、国際線に影響するのは初めて。

 8月までの欠航便数は、1日あたり17.5便で、2800人程度に影響が出ている。9月以降は国内線・国際線合わせて、1日あたり15便程度が欠航となるものの、影響人数は600人程度となる見込み。

 ANAによると、8月までは提携他社便や新幹線など、代替手段の確保を最優先としたと説明。9月以降は、影響する旅客数を最小限とするため、欠航便を選定したとしている。

 国内線9月分の欠航については、8月9日に公表する。10月28日から始まる冬ダイヤでは、運航スケジュールを見直すことで、欠航便の発生を抑える。

◆年内に改良エンジン

 整備対象となるのは、ANAの787が使用しているロールス・ロイス(RR)製エンジン「トレント1000」。今年4月に、FAA(米国連邦航空局)とEASA(欧州航空安全局)がRRに対し、航空機の安全性を確保するための整備や改修を指示する「耐空性改善命令(AD)」を出した。日本の国土交通省航空局(JCAB)もこれに基づき、耐空性改善通報(TCD)を発行。ANAも、対象となるエンジンの整備を進めてきた。

 ANAによると、4月の段階では、主に国際線を飛ぶ787-9が搭載している「パッケージC」と呼ばれるエンジン66基が対象だったが、EASAが6月12日にADを追加発行。改修対象のエンジンが、主に787-8が使用している「パッケージB」にも広がり136基に増えたことで、機材繰りに影響が及んでいる。

 これに対し、RRは7月17日に声明を発表。現在は点検と、エンジン内部の耐久性回復に向けたメンテナンスを進めており、検証試験が最終段階にあるとした。対策を講じたエンジン部品は、年内をめどにANAを含めた航空各社に提供できる見込みだという。

Yusuke KOHASE

最終更新:8/2(木) 19:45
Aviation Wire