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「発車ベル」やめました JR、常磐線で実験 駆け込み防止へ

8/2(木) 10:17配信

千葉日報オンライン

 JR東日本は1日、駅のホームにある発車ベルを押して流れるメロディーが駆け込み乗車を助長している可能性があるとして、ベルを使わず、車両に内蔵された「車外スピーカー」でドアの開閉を知らせる実証実験を始めた。松戸、柏、我孫子駅などを走行する常磐線が対象で、亀有(東京都葛飾区)-取手(茨城県取手市)間で行う。駆け込み乗車を減らす効果が確認されれば、ほかの路線にも拡大する予定。

 駆け込み乗車への対応で列車が遅れるケースは日常的で、死亡事故も発生。同社は、大音量のメロディーがホームから離れた改札口付近でも聞こえてしまうことが、駆け込みを誘発しているとみて実験を開始した。スピーカーからの音声が聞こえる範囲はホーム上にとどまるという。

 常磐線を実証実験の舞台に選んだのは、一般的なメロディーの代わりに使われる「ご当地メロディー」がなく、切り替えが容易だったため。乗務員室の「乗降案内スイッチ」を操作して、ホームに向け発車を知らせる音と、「扉が閉まります。駆け込み乗車はおやめください」との自動音声を車外スピーカーで流す。車外スピーカーは1車両に左右合わせて4カ所に内蔵されている。従来は乗務員がホームに降り、ベルを押してホームから発車を知らせていた。

 ホームのベルを使わない方法が広がれば、蒲田駅(東京都大田区)の「蒲田行進曲」や高田馬場駅(新宿区)の「鉄腕アトム」などのご当地メロディーが消える可能性もあるが、同社は「検討段階で決まっていない」としている。

 常磐線各駅停車に乗り入れる東京メトロや小田急電鉄の車両も、同様の取り組みをする。

 実証実験の初日に電車を利用した40代の女性は「駆け込み乗車を減らすのに、いい取り組みではないか」と好意的に受け止め、普段から北柏-金町間で常磐線を利用する林幸夫さん(70)は「発車ベルからの切り替えで車掌による乗客の確認が不十分になる懸念がある。事故が発生するのでは」と指摘した。

 駆け込み乗車は、ホームやエスカレーターで転倒したり、戸袋に挟まれたりしてけがをする恐れがあるほか、ドアの開閉をやり直す影響で、遅れの原因になる。