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現地取材 ロヒンギャの帰還はなぜ進まないのか

8/2(木) 13:50配信

FNN PRIME

川沿いを歩く人々が長蛇の列に・・・ミャンマーのイスラム系少数民族・ロヒンギャが隣国のバングラデシュへ避難する様子だ。

【画像】「母国に帰りたい、でも・・・」話す男性

ミャンマー当局によるロヒンギャの弾圧からまもなく1年。
FNNは、合意されたはずのミャンマーへの帰還がほとんど進まない理由を現地で取材した。

どちらの国にも入れない・・・5000人以上が国境に

ミャンマーとバングラデシュの国境には、バングラデシュに入国を拒絶され、どちらの国にも入れなくなった5000人以上のロヒンギャ難民が生活を余儀なくされている。

「母国に帰りたい。でも、まだ安全ではない。」と、ここにいるロヒンギャの男性は語った。

弾圧が行われた2017年8月以降、バングラデシュに避難したロヒンギャは70万人。
ミャンマーとバングラデシュの両政府は、ロヒンギャのミャンマー帰還を2018年1月までに始めることで合意したが、実際は、ほとんど進んでいない。

FNNは、ミャンマー当局が監視する中、ロヒンギャがかつて住んでいたラカイン州の村に入ったが、ロヒンギャの受け入れ施設では、誰も戻ってこないので、職員が待っているだけという状態になっている。
入国管理局担当官は「バングラデシュとの合意以降まだ誰も戻ってきていない」と話す。

今も残る憎悪 「ロヒンギャを見たら殺す」

帰還が進まない理由のひとつは「ロヒンギャの身の安全」の問題だ。

ロヒンギャ弾圧のきっかけとなったのは、市民として認められず不当な扱いに抗議するロヒンギャの一部武装勢力が、ミャンマーの治安当局を襲撃した事件だ。
その影響で、ミャンマー市民の間では、今もロヒンギャ全体への憎悪が根深く残っている。

ラカイン州の村長:
「テロリスト(ロヒンギャ)の攻撃で8人が無残に殺された。私は息子を殺された。ロヒンギャを見たらすぐに殺す」

ロヒンギャにとっては、ミャンマーに戻っても身の安全への不安が払しょくできないことが、帰還のハードルとなっているのだ。
ミャンマー政府は7月30日、ロヒンギャをめぐる人権侵害を調査する独立委員会を設置。
ロヒンギャへの対応で国際的な批判にさらされているミャンマー政府が積極的な治安対策に乗り出し、ロヒンギャが帰還できる環境を整えられるかが焦点となっている。

最終更新:8/2(木) 14:22
FNN PRIME