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「ロヒンギャを見たら殺す」 帰還合意でも一人もミャンマーに戻らない理由

8/2(木) 18:30配信

FNN PRIME

ミャンマーのイスラム教徒ロヒンギャが去年8月、迫害を逃れて隣国バングラデシュに逃れてから間もなく1年。ミャンマー、バングラデシュ両政府はロヒンギャについて、今年1月からの帰還開始で合意したものの、その後ほとんど進展はなく、いまも約70万人が避難生活を余儀なくされている。

(画像)一人もこないロヒンギャ受け入れ施設

なぜ帰還が進まないのか。かつてロヒンギャが住んでいたラカイン州で取材を進めると、帰還が困難な理由が見えてきた。

政府による監視のもと取材へ

最大都市ヤンゴンから国内便で約1時間半。ラカイン州の州都シットウェにあるロヒンギャの旧居住エリアには政府の許可なしでは入ることができない。今回、我々は特別に許可を得てラカイン州に入った。取材中は治安部隊が同行し、我々の取材活動は監視されていた。

ロヒンギャ村のそばに治安施設

車や船を乗り継ぎラカイン州マウンドーへ向かう。季節は雨季。冠水している道路を車で進み、ロヒンギャがかつて住んでいたエリアに入ると、窓越しに放置されている漁船が見えてきた。かつてロヒンギャが使っていたものだ。彼らの水田や畑も、荒れた状態で放置されていた。

ラカイン州のマウンドー地区は、かつて人口の9割がロヒンギャ住民だった。主要道路を車で進むと、道沿いにロヒンギャがかつて住んでいた村が見えてきた。焼き討ちにあった村には黒焦げの柱や扉などが今もそのまま残されていた。そして、村の焼け跡の近くには、新たにミャンマー治安部隊の監視拠点が建てられ、隊員が周囲に目を光らせていた。厳戒態勢は今も続いている。

空っぽの「受け入れ施設」

ミャンマー、バングラデシュ政府は今年1月までに、ロヒンギャの帰還を開始することで合意したが、半年以上たった今も帰還は全く進んでいない。ミャンマー側の受け入れ施設を訪れると、10人以上の職員らが、手持無沙汰に椅子に座っていた。1日150人まで対応できる施設だが、現在までに1人も帰ってきていないという。入管施設の担当者に、ロヒンギャがなぜ戻ってこないのかを尋ねると、担当官は「ロヒンギャに聞いてほしい」と答えた。

また別の施設では、ミャンマー国内で当局に一時拘束されたとされるロヒンギャの男性らが我々に公開された。ミャンマー当局によると、彼らはすでに釈放され市民権を得た、とのことだったが、彼らには今も移動の自由がないようにみえた。

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最終更新:8/2(木) 18:30
FNN PRIME