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米の無人レストラン「EATSA」の挑戦

8/3(金) 11:01配信

ニュースソクラ

店舗網拡大よりシステム販売へ切り替え

 店舗「無人化」の勢いはやむことがない。米国サンフランシスコ市の「無人レストラン」EATSA(イーツア)をご存じだろうか。

 2017年には、アマゾン・ドット・コムが発表したシアトル発の無人コンビニ、“アマゾン・ゴー”や、日本でもハウステンボスが運営するロボットホテル、“変なホテル”が話題になった。現在、西海岸を中心に2店舗を展開するロボットレストランから、「無人化」が可能にする未来をご紹介しよう。

 EATSAでは、新鮮なサラダボールを提供している。特徴は、栄養価の高い食材を揃えるところにあるだろう。サラダというと、主食として食べるイメージがないが、ここでは、肉や卵をふんだんに使ったメニューを提供している。そして、全てのサラダに「キヌア」という南米が原産の、必須アミノ酸をバランス良く含む雑穀が入っている。
 
 キヌアは精白米と比べて少ない炭水化物で、タンパク質や食物繊維、カリウム、カルシウム、などが含まれる、まさにスーパーフードだ。日本でも、美容や健
康に敏感な人に取り入れられていて、コンビニエンスストアなどでも、キヌアを使ったサラダを販売するほど、身近な食品になってきた。

 基本のメニューは32種類。バーベキューソースやハムのような定番のサラダから、ビビンバや豆腐、ブリトー、ワンタンなど、国際色豊かなメニューも並ぶ。また、個人で食材を組み合わせて楽しむこともできる。値段は昼食で6.95ドルほどと手ごろだ。
 
 注文方法もいたって簡単。店頭にあるタッチパネルを使い、好きなメニューを選ぶ。そして決済方法を入力すれば完了だ。支払いは現金でなくカード決済になる。他にも、専用のアプリを使い事前に注文とピックアップの時間指定することも出来る。注文を受ける店員も、商品を引き渡す店員もいらない。もう昼休みの混雑時に、レジに並ぶことはないのだ。

 商品の用意ができると、専用のボックスが点滅し、サラダを受け取ることができる。サラダの蓋のには、注文者の名前もしっかり印字されていて間違える心配はない。

▼技術革新を経営に生かす

 「より速く、より良い商品を提供する」。多くのファーストフードチェーンが、業務効率化のために様々な方法を導入してきたが、抜本的な解決には至っていない。

 例えば多くの企業が、新しいモバイルアプリでの発注機能の導入や、支払いシステムの技術向上など複数のチャネルを使い、効率化を図ろうとしたが、注文から商品提供までのわずかな1,2ステップの改善にしか繋がらなかった。それを解決するのが、EATSAのシステムだ。

 EATSAでは、全てのコンポーネントが統合され、完全にデジタル化されているため、個々の店舗で、複数の配信チャネルを容易に管理することができる。また、将来チャネルが拡張していくことも前提に設計されている。

 これにより、可能になるのは効率化だけではない。顧客がタッチパネルやアプリで注文をすることで、莫大なデータが集まる。そしてそれを分析していくことで、顧客の味の好みを把握でき、利便性や満足度の向上にも繋がる。また、在庫管理もデータ分析によって最適化を図ることもできる。今まで人間の手で行われていたレジでは、得られなかった情報を有効に生かすことができる画期的なシステムだ。

 しかし、調理部分ではまだ人が介するのが現状だ。約5人の従業員たちが裏方で、商品を出す準備をしている。創設者のドラモンド氏は、「近い将来、調理もロボットが全て行うことができるようにする」という。

▼レストラン業界を革新する

 ファーストフード業界に衝撃与えてきた、彼らに今後の店舗展開について取材を行うことができた。

 2017年からEATSAは経営戦略を大きく転換している。自社の店舗を拡大するのではなく、同業他社へのシステムの提供へ舵を切った。

 シカゴやワシントンD.C.にチェーン展開する、カジュアル中華レストラン「Wow Bao」にEATSAのシステムを提供している。シカゴで開店した新店舗では、サラダボールと同じ仕組みで飲茶が提供されているのだ。今後も、EATSAの店舗を増やしていく計画はなく、同業他社へのシステム提供に注力するという。将来、私たちの身近にあるレストランでもEATSAの技術が使われる日が来るかもしれない。

ニュースソクラ編集部

最終更新:8/3(金) 11:01
ニュースソクラ

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