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地域再生の“お手本”ヤマガタデザインは27万住民「みんなが株主」目指す

8/4(土) 8:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

「ヤマガタデザインは究極のシムシティ。自分たちが事業展開すればするほど、自分たちのクオリティオブライフが上がる。だからこそ、頑張り続けられる」(ヤマガタデザイン代表の山中大介さん)

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慶應義塾大学先端生命科学研究所(先端研)やSpiber(スパイバー)など世界的にも注目を集めるバイオベンチャーが集まる、山形県庄内地方に位置する「鶴岡サイエンスパーク」。

そのサイエンスパーク内に、世界的な建築家の坂茂(ばん・しげる)氏が設計した、水田に浮かぶホテルが2018年8月1日にプレオープンする。

運営するのは、完全地域主導型のまちづくりを進めるヤマガタデザイン。

32歳にして約23億円を集めた、ヤマガタデザイン代表の山中大介さん(32)が語る「究極のシムシティ*」とは何か。

“シムシティとは:プレイヤーが市長となり、自分だけの街を作り上げて発展させていく都市経営シミュレーションゲーム“

大企業を退職、資本金10万円で創業

従来、まちづくりにおいては行政が大きな役割を担ってきた。しかし、行政には大きく二つの問題があるという。

「一つは、予算の使い道が決まっているので、なかなか思い切った策を打てない。もう一つがノーリスク。リスクを取らない限り、本当の意味での当事者意識が芽生えないし、地域も持続しない」(山中さん)

多くの地方都市と同様に、急速な人口減少が続く山形県庄内地方。

その庄内地方にサイエンスパークが作られたのは2001年。当時の富塚陽一市長が「鶴岡の未来のために科学技術に投資をし、長期的な目線で新たな産業を生み出す」ことを目指して、21ヘクタールもの土地開発を始めた。

そこに慶應大学の先端研を招致し、数々のバイオベンチャーが生まれた。地方に新たな産業を生み出した地方再生の成功事例として注目を集めた。

山中さんが、親友の父親であった先端研所長の冨田勝教授に誘われ、初めて庄内地方を訪れたのは2013年。当時、サイエンスパークには大きな課題が存在していた。

もともと開発する予定だった用地21ヘクタールのうち、3分の2にあたる14ヘクタールが未着手のままだったのだ。それまで、鶴岡市は年間数億円の予算を投資し続けていたが、人口減少が続く中、サイエンスパークに新たな投資を続けることが難しくなっていた。

その頃、「1回きりの人生で、どれだけの価値を生めるのか、ゼロベースで考えたい」と、勤務していた三井不動産を退職することを決めていた山中さんは、庄内地方でのチャレンジを決意。

「すごい田舎にも関わらず、産業構造を本気で変えようとチャレンジしていて、本当にかっこいいと思った。自分にも何かできるんじゃないかと思ったんです」

合成クモ糸の量産技術を開発したバイオベンチャー「Spiber」に一度は就職したものの、民間主導での開発を求める周囲の期待が高まり、わずか2カ月後の2014年8月、ヤマガタデザインを創業。

資本金は10万円だったが、14ヘクタールの土地を購入し、開発することを決意した。

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