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300円ショップ『3COINS』 客の心つかむアパレルならではのデザインと価格設定の妙

8/4(土) 14:00配信

関西テレビ

全国に186店舗を展開する、100均ならぬ“300円”ショップ『3COINS』。

冷却タオルに、カラフルな水鉄砲など、猛暑が続くこの夏にピッタリのアイテムから、インテリアや日用雑貨まで、たくさんの品ぞろえが!

たった300円でお客さんの心をつかんで離さない3COINS。今や外国人観光客にまでも支持されるその人気のヒミツに迫ります!

■「300円」の狙いと消費者心理

3COINSの客層の9割以上を占めるという、女性客から最も多く聞かれた声は…。

女性客:
「これ300円なんや!と思ったら、かわいいし、お得かなと思って買ってしまいますね」

別の女性客:
「いくつか買っていると、結構高くはなっちゃうんですけど(笑)。お手軽ですね」

人気のヒミツは、やはりその価格設定にあるようです。では、なぜ300円という価格になっているのでしょうか?

3COINSを運営するパル・グループは、『チャオパニック』など36ものブランドを展開する大阪のアパレル会社です。

パル・グループ担当者:
「300円という価格が買いやすいんじゃないかっていうのと、例えば3つ買っていただいても、1000円お支払いいただいてもお釣りがくるっていうお得感。衝動買いしやすい価格といえると思います」

100円均一ショップが全盛の1994年、当時は珍しい300円均一ショップを大阪・梅田にオープン。

パル・グループ担当者:
「100円ショップっていうのはすごく実用的な商品が多いかなという感じだったんですけど、私どもはアパレルの企業なので、ファッションを切り口にして、実用的なモノにもう少しデザインや付加価値を付けたモノを商品として展開したら、面白いんじゃないかと」

100均のプラス200円で、ファッション業界で培ったセンスを武器に、見た目を追求したのです!

こうした狙いは、店舗に来るお客さんにしっかり届いてるようで…。

女性客:
「100均やったらホンマにちゃっちぃって感じがするんですよ。でもなんか、300円やからデザインもホンマにかわいいし、主婦としては100均行くよりこっちの方がいい」

さらに、「300円」という価格のヒミツを専門家はこう指摘します。

(電話インタビュー)
りそな総合研究所・荒木秀之主席研究員:
「ギリギリのラインというかですね、割安感を感じられる一つのラインだと思います。例えば、たばこも値上がりして300円を超えたタイミングで、結果として購入する人が減ったっていうこともありますので、そこで消費者心理が変わるということはあると思います。うまく300円で消費者をくすぐっているということかと」

■今の一番人気は「接触冷感グッズ」

絶妙な価格設定で、全国186店舗、売り上げ243億円まで成長した3COINS。この夏の人気アイテム、トップ3はというと…。

まず第3位は「ハンドル付き浮輪」。

女性客:
「浮輪を買おうかなと思って。安いし、ハンドルが付いてるっていうのと、柄がスイカなんでかわいいかなと思って」

危険の多い夏の海。子どもも安心して遊ばせられるよう、しっかり握れるハンドルを付けました。

続いて、第2位は「3ポケットランドリーバッグ」

別の女性客:
「ランドリーバッグを買いに来ました。(バッグを開いて)こんな感じで、中が3つに分かれてるので、子どもがいると荷物がすごくて、水着入れたり、タオル入れたり、パパの水着入れたりしようと思ってます」

丸ごと洗濯機で洗えるランドリーバッグ。洗った後も、チャックを1回開ければ、3種類の洗濯物を取り出せて家事の強い味方に。

そして第1位は、肌にふれると、ひんやり冷たく気持ちいい、「接触冷感グッズ」!

吸水速乾に、抗菌防臭機能までついた優れもので、他店と比べてお値打ちであることや、柄のかわいさもあり、大人気となっています。

■かわいいデザイン×安さ

現在売れ筋の「接触冷感グッズ」を開発したのは、入社12年目の野口光恵さん。

去年、通常2~3千円はする小型犬用の洋服を300円で開発し大ヒットさせた、3COINSきってのアイデアマンです。

今回の接触冷感グッズは…。

パル 3COINS 開発担当・野口光恵さん:
「市場を見た時に、接触冷感グッズはすごく売ってる所が多かったんですけど、接触冷感の機能は付いてますけど、やっぱりシンプルなものが多くて。3COINSらしい“かわいいデザイン”が入っていて、プラス『安い』となれば、絶対売れるんじゃないかと思いました」

そこで、野口さんは、海外の人気絵本とのコラボを発案。絵本のキャラクターたちで、かわいく賑やかにデザインすれば、女性たちが飛びつくと考えました。

できたのが、枕パッドに、スリッパ、クッションなど。1つのデザインで300円の接触冷感グッズを14種類も展開したのです。

メーカーに大量発注することで値引き交渉がしやすくなり、市場の平均価格だと2000円する「抱き枕」も300円で実現!

野口さんの狙いは当たり、かわいくデザインされた接触冷感グッズは、飛ぶように売れたのです。

開発担当・野口さん:
「デザインで、売れ筋・売れ方が変わってきますので、その年によって流行のデザインやテイストを入れて企画するようにしています」

■市場にないモノ、市場で高いモノを

そんな野口さんが次に目を付けたのは、赤ちゃんを撮影する「顔出しパネル」。若い母親たちに根強い人気を誇る“寝相アート”からひらめきました。

開発担当・野口さん:
「(寝相アートを)私の周りでもしてる人とかはいるんですけど、市場を見た時にあまりセットで売ってないっていうのがあって、したい人は自分でかき集めてるっていうのもあります。あと売ってたとしても、市場ですごく高いっていうのもありますので」

同僚の反応も上々で、8月6日から全国の店舗での販売が決まっています。

野口さんたち開発部員8人で、毎月300~400種類の新商品を開発。毎週、新商品を投入することで、女性がつい通いたくなる売り場を作っています。

開発担当・野口さん:
「高くすればいくらでもいいモノを作れるんですけど、300円というその縛りの中で、よりいいモノを作っていくことは大変ではあるんですけど、それが楽しさだったり、やりがいだったりにもつながっていってるので、たくさんのお客さまがワクワクするような、楽しんでもらえるような商品を届けていけるように、企画していきたいなと思っています」

つい買いたくなる絶妙な価格設定と、300円にかける開発者の情熱が3COINSの躍進を支えていました。


(関西テレビ7月31日放送『報道ランナー』内「なるほど!ちまたのケーザイ学」より)

最終更新:8/4(土) 14:00
関西テレビ