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JAXAの「火星衛星探査計画」、そのミッションの目的は?

2018/8/4(土) 17:22配信

TOKYO FM+

さまざまな趣味と娯楽の奥深い世界をご紹介するTOKYO FMの番組「ピートのふしぎなガレージ」。7月28日(土)放送のテーマは「火星」。今年7月31日(火)に地球に最接近した火星。地球と火星の距離が6000万kmを切るのは2003年以来15年ぶりということで、天体望遠鏡を使った火星観察イベントなども注目を集めています。今回は、夜空でひと際明るく輝く「火星」について、TOKYO FMの番組の中で詳しい方に教えていただきました。

◆「日本も火星探査を計画中です!」
JAXA 宇宙科学研究所 藤本正樹さん

── 日本は火星探査を計画していますか?

JAXAでは「火星衛星探査計画(MMX)」を進めています。これは火星の衛星に着陸して、サンプルを回収して地球に帰還する計画で、「はやぶさ」「はやぶさ2」の経験を活かせば達成できるだろうと思っています。

ただ、「はやぶさ」「はやぶさ2」は小惑星だったので重力が非常に弱く、表面に触った瞬間にサンプルを採取し、エンジンを噴かしてすぐに上昇することが可能でした。しかし、火星の衛星はそこまで小さくないので、ちゃんと着陸する必要があります。現在は2024年の打ち上げを計画していて、2029年に地球に帰ってくる計画です。

── このミッションの目的は何なんでしょう?

太陽系が誕生したとき、太陽の近くでは温度が高いため水は水蒸気になり、ある距離から温度が下がって氷になりました。その境目を「スノーライン」と呼びます。石ころが集まって惑星になるとき、水蒸気は取り込めませんが、氷なら石ころと同じなので一緒に集まります。それで、スノーラインの内側と外側で惑星の組成が大きく変わるんです。

そのスノーラインのスレスレ内側にいる火星の衛星は、スノーラインの外から降ってきた小惑星がそのまま捕まったり、火星に衝突して生まれたのではないかと考えられています。そこで、MMXでは火星の衛星がどうやってできたのかを探り、それによってスノーラインの外側から内側に降ってきた小惑星の様子を明らかにしようとしています。

従来、惑星は「その場所にあった物質が静かに集まって生まれた」と考えられてきました。しかし、現在は「太陽からの距離を変えながら大きく物が動いていた」と考えられています。そのおかげで地球に水がもたらされ、生命が誕生したのでは……そんな大変動を明らかにするのがMMXの目的です。

── 日本以外の国の火星探査はどうなっていますか?

将来的には世界で協力して有人探査を目指していますが、現在はNASAが火星の表面で「キュリオシティ」というローバーを走らせて探査しているところです。おもしろい石を見つけたらドリルで穴をあけて匂いを分析したりしているのですが、先日、30億年以上前にできた泥岩の中に複雑な有機物を発見して話題になりました。火星の環境がまだ生命が誕生してもおかしくなかった時代に有機物があったということは……と、我々もいろいろ想像が膨らむ発見です。

(TOKYO FM「ピートのふしぎなガレージ」2018年7月28日(土)放送より)

最終更新:2018/8/4(土) 17:22
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