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<検証・在宅被災者>(上)制度のはざま/仮設入れず生活困窮

8/13(月) 8:00配信

河北新報

 東日本大震災で甚大な津波被害を受けた宮城県石巻市で、今なお進行する被災に苦しむ人々がいる。十分な支援を得られないまま、損壊した自宅に住み続ける在宅被災者だ。震災から7年5カ月。家屋の劣化、生活困窮、健康悪化など負の連鎖が止まらない被災地の現実を見る。(石巻総局・氏家清志)

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 津波の影響がうかがえない石巻市貞山の住宅街。外見は無傷の木造2階住宅で、震災の爪痕を見た。

 無職佐藤悦一郎さん(74)宅の1階の台所に入った。歩くと床が沈む。床下にヘドロが堆積し、湿気と異臭を放つ。洗面所の柱にはアルミテープ。床下から湧く虫の侵入を防ぐ。柱の下部は虫が巣くい、年々やせ細っていく。

<「置き去りに」>

 津波は1階の天井近くまで達し、水は3日間引かなかった。佐藤さんは倒れたたんすで両膝を負傷し、辛うじて2階に避難した。

 震災当日は冷蔵庫から運び出した冷凍食品などでしのぎ、翌日は自衛隊がボートで食料を運んでくれた。

 自宅は大規模半壊と判定された。3カ月後、仮設住宅に入居できるよう市に掛け合ったが「居住する家がある」とにべもなかった。

 「置き去りにされた」と佐藤さんは感じた。「家が残っても1階には何もなく、地獄だった。冷蔵庫や炊飯器が支給される仮設住宅がうらやましかった」

 当時の貯蓄は50万円程度。国の制度などを利用し約300万円をかけて自宅を修繕したが、途中で自己資金が尽きた。

 市は2013年、補修費を最大100万円助成する住宅再建事業を始めた。年金暮らしの佐藤さんは震災後に患った大病の影響もあって固定資産税が払えず、適用から外れた。

 今年3月で医療費窓口負担の免除が打ち切られ、生活保護を受給する決断をした。現状で、自宅を追加補修する余裕はない。

<家屋 日々劣化>

 石巻市を拠点に在宅被災者を支援する一般社団法人「チーム王冠」によると、自宅が損壊した在宅被災者の平均修理額は約500万円。市の支援額は国と合わせ、最大約250万円にとどまる。

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最終更新:8/13(月) 8:00
河北新報