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<コメ流通の変 減反廃止元年>(上)調達費増/業務用不足 対応に苦慮

8/13(月) 9:30配信

河北新報

 業務用米など値頃感のあるコメが不足している。国による生産調整(減反)が2018年産から廃止され、コメの生産量や価格の先行きは見えにくい。生産現場と同様に、加工食品メーカーや外食産業、輸出業者も知恵を巡らし、対応を模索する。(東京支社・小木曽崇)

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<初の商品値上げ>

 減反廃止元年を控えた17年末から18年初めは、コメ関連業界の「値上げの冬」となった。

 「サトウのごはん」で知られる佐藤食品工業(新潟市)は17年11月、パックご飯を値上げした。「ふっくらつや炊き」を主力に売り上げトップを競うテーブルマーク(東京)も18年2月、価格改定に踏み切った。

 両社にとって、商品を世に送り出して初の値上げになる。テーブルマークの担当者は「仕入れ先に価格を抑えてほしいとお願いしているが、値上がり分を吸収できない」と苦渋の表情を見せた。

 コメ出荷業者と卸売業者の相対取引価格は上昇基調で推移している。17年産米が出回り始めてから今年6月までの60キロ当たりの平均価格は、前年比9%増の1万5591円。上昇は3年連続となった。

<ブランド米続々>

 要因は13年冬にさかのぼる。政府は18年産からの減反廃止を決めるとともに、廃止後も主食用米が値崩れしないよう飼料用米に作付け誘導する政策を取った。

 減反政策の下で長年、自由に生産量を決められなかった産地は、同じ生産量でも所得増が見込める高価格帯のコメを重視しがちだ。東北各県は近年、青天の霹靂(へきれき)(青森)銀河のしずく(岩手)だて正夢(宮城)といったブランド米をデビューさせた。

 飼料用米への転作が進んだ上、作付けされるのはブランド米ばかり。加工食品メーカーが望む業務用米は生産が後回しとなる。

 テーブルマークの担当者は、単身世帯の増加などを背景にパックご飯市場全体は拡大している点を強調。「産地は高齢化し、長期的には国産米供給は減る。需要に対応できるよう、継続的に安定的な価格で量を確保したい」と話す。

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最終更新:8/13(月) 9:30
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