ここから本文です

ヘルメットのバイザーに速度やナビ ライダーの未来が現実に スマホ連携も

8/8(水) 16:12配信

乗りものニュース

バイザーがディスプレイ?

 スマートフォン用ディスプレイで世界的シェアを持つジャパンディスプレイが、視界に映像を映し出すヘルメットを開発しました。

【写真】フロントガラスに速度計が クルマのHUD

 名付けて「HUD搭載スマートヘルメット」。「HUD」とはヘッドアップディスプレイの略で、近年はクルマのフロントガラス部分に情報を映し出す車載HUDの採用が増えています。今回開発したヘルメットは、この自動車用HUDの技術を応用しているとのこと。どのような仕組みなのか、同社に聞きました。

――どのような仕組みなのでしょうか?

 製品発表の場では、肉眼とバイザーのあいだに取り付けた透明な板に映像を映していました。しかしながらヘルメットに装着したプロジェクターで投影しているものですので、原理的にはプラスチックのバイザーに直接投影することも可能です。今後、バイザーに映像を見やすくするコーティングを施すことなども考えられます。

 自動車用HUDの場合は、ダッシュボードの下から投影し、鏡などを介してフロントガラスの少し先に映像を映し出します。イメージとしては、夜間に電車の窓へ車内の様子が映り込むような感じでしょうか。これを、バイザーの上から投影しているのが今回のヘルメットです。とりあえず形にした段階なので、今後まだまだ改良の余地があります。

――どのような情報が映し出されるのでしょうか?

 スピードメーターやナビの情報、スマートフォンの着信案内など、自動車用HUDと近い内容を想定しています。常時映し出す情報もあるでしょうし、スイッチ操作などで随時映し出すようにすることも考えられるでしょう。

スマホからブルートゥースで映像投影も 広がる可能性

――電源や映像は、どのように供給されるのでしょうか?

 電源はヘルメットに内蔵した蓄電池です。情報の供給源としては、たとえばスマートフォンからブルートゥースを介してHUDに投影することが考えられるでしょう。

――なぜ開発したのでしょうか?

 クルマでできることをバイクでもできればいいよね、という話になったのがきっかけです。当社は自動車用HUDで世界トップのシェアを有しているのですが、その技術を活かせないかと考えました。2018年4月に(新しい商品を開発する)新組織が発足し、そのなかで製品化へ動いたアイディアのひとつです。

※ ※ ※

 製品発表会では、いわゆるサバイバルゲームの衣装を着た人も登場しました。そのようなバイク以外での使用や、ほかのモータースポーツへの応用も考えられるといいます。

 すでに同社では2018年7月、スーパーフォーミュラに参戦する「ダンディライアン レーシング」と、レースでの実装を想定したテスト走行を富士スピードウェイで実施。計器を見ることなく必要な情報を得られ、視線移動が抑えられるといったことが確認されています。

 このときの実験では、バイザーの外側に透過率80%の透明ディスプレイを装着したものが使われました。将来的にも、バイザーへ直接投影する方式だけでなく、既存のヘルメットへ後付けする形も考えられるとのこと。

 ジャパンディスプレイは、「実用化はまだまだ難しいですが、発表以来、『興味がある』というお声を多方面からいただいていいます。案外早く実用化する可能性もなくはありません」と話します。

乗りものニュース編集部