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キャッシュレス、環境整備に自治体本腰 訪日客取り込みへ

8/10(金) 7:15配信

SankeiBiz

 キャッシュレス推進協議会に参加する地方自治体は、7月2日の設立当初の和歌山県のみから1カ月余りで豊田市、豊橋市、山口県、福岡県、佐賀県が加わり計6自治体に拡大した。キャッシュレスには企業だけでなく、自治体も強い関心を示し電子決済端末の導入支援や企業との実証実験など、訪日外国人観光客の取り込みを見据えた環境整備に本腰を入れ始めた。

 「訪日客は増えたが、消費を取り込めていない」。佐賀県の情報化推進室の担当者は痛感する。県内店舗では費用がかさむ電子決済端末導入が進んでおらずキャッシュレスに慣れた訪日客には不便。そこで2017年度に佐賀市と嬉野市で宿泊施設や飲食店、土産物店に電子決済端末導入費の3分の2を補助する制度を開始。18年度は対象を県内ほぼ全域に広げることにした。

 総務省によると、佐賀県のクレジットカード決済利用率は、7.9%と全国最低でキャッシュレス化の遅れに対する危機意識は強い。協議会への参加も「いち早く情報を共有して環境を整えるためだ」(担当者)。

 キャッシュレスをめぐる自治体と企業の連携も活発化している。みずほ銀行と福島県は6月に同県内の数店舗で顧客がスマートフォンに表示したQRコードを店頭で読み取って決済し、利用者や店舗の利便性を検証する実証を開始した。

 みずほ銀は地域実証の第2弾として近く、別途自治体と組み、数多くの店舗が参加するQRコード決済の実証を始めることを検討。訪日客の利用状況など地方での普及の可能性や、運用上の課題などについて検証する予定だ。

 観光庁などによると17年の訪日外国人は2869万人、旅行消費額は4兆4000億円と過去最高。政府は東京五輪・パラリンピックが開かれる20年に4000万人、8兆円を目標に掲げており、自治体にとってキャッシュレスは地域活性化の好機でもある。

 地方の小規模な店舗にもキャッシュレスを根付かせる鍵の一つはやはりコストだ。その点、スマホで手軽に読み取れ、導入コストの安さが魅力のQRコードが注目を集めており、企業ごとに異なる規格の統一などが急務になっている。(万福博之)

最終更新:8/10(金) 7:15
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