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<日大チアパワハラ>家族が思いを文書で公表「娘に笑顔を」

8/9(木) 14:41配信

毎日新聞

 日本大応援リーダー部(競技チアリーディング)の女性監督が女子部員にパワハラをした問題で、女子部員の家族が9日、報道機関向けに思いをまとめた文書を公表した。監督や大学側が問題の解決に動かなかったことを振り返り「今は娘が健康を取り戻し、どのような場所で何をしてでもいいので笑顔で人生を歩んでいけることだけを望んでいます」とつづっている。

 女子部員は現在も体調を崩しているため、問題が解決せず事案を公表せざるを得なくなった場合に備えて6月に気持ちをまとめた文書を家族があわせて公表した。監督から事実に反する内容で叱責され、仲間からも信じてもらえず追い詰められていった状況を説明。「このような文書を出すべきなのか、何度も悩みました。しかし、このままだと時間が過ぎるだけで何も解決できないと感じたため、文書を出すことを決意しました」と記している。【川上珠実、銭場裕司】

■監督からパワハラを受けた女子部員の家族が報道機関に向けて出した文書の文面(8月9日)

報道に携わる皆様

 娘は日大の応援リーダー部に所属しています。本年2月初旬、娘は部活の中で監督と一部の部員による言動がもとで練習に行くことができなくなりました。連絡をしないまま欠席し始めたために、部員らが自分を探しに来たり連れ戻しに来るのではないかという恐れから自宅を離れていた時期がありました。約1か月後には自宅に戻って生活できるようになりましたが、練習に行けない原因は解消されず、娘は部活には戻れませんでした。暴言・暴力で娘を追い詰めた同級生に対する恐怖のため大学に通うこともできていません。対応を求めて監督や大学と交渉を続ける中でさらに理不尽な扱いを受け、現在は体調を崩しています。本人がこれ以上の発信をすることが出来ないので、家族としてできる説明をしたいと考えています。

 監督らによるパワーハラスメントなどの出来事については、問題が解決せず事案を公表せざるを得ない場合に備えて、本人が6月に「思い」としてまとめた文書があります。添付させていただきますので、ご覧ください。以下にパワハラ以降の大学側の対応と、私たち家族の思いをお伝えします。

 2月8日から練習を無断欠席したことに対し、家族に対して監督から一切の連絡はありませんでした。9日に娘はラインをアカウントごと消去したので、異常には気づいていたはずです。監督の連絡先は家族に開示されていなかったので、12日から出身高校の部活顧問らを通じて監督に娘の状況をお知らせし対応を求める連絡をしましたが、直接の連絡はいただけないままでした。15日午後、保体審に事実の報告の連絡をしました。その夜に監督が急遽自宅に謝罪にいらしたので「謝罪はしなくてよいので、娘の名誉回復をきちんとしてください」と依頼すると、監督は「感情的になって事実ではないことを部員らの前で話してしまった」と行為を認め「明日訂正し結果を報告します」と約束しました。しかし17日夜電話で報告されたことは、部員らにミーティングをさせ「みんなで団結を強くしていこう」「次の大会で良い演技をすることで帰ってきたいと思うチームを作ろう」という結論を得て良い方向に部員たちが向くことができた、という的外れな内容のものでした。これを聞き監督には解決する気がないのだと感じたので、19日に保体審に2度目の連絡をしました。監督に発言の訂正と娘の名誉回復をさせるよう、また監督の言動に影響されていじめ行為を行ってしまった学生を指導するようお願いしました。数回の進捗確認をしましたが、保体審は監督に口頭で注意する以外の対応をせず、3月6日に「やるべきことはやり尽くした」「部のことは監督に一任してある」「日大として出来ることはすべてやった」「監督と腹を割って話さないとダメですよ」などの発言で対応を終わらせようとしました。そのため監督との面談を希望し、面談に際して保体審の仲介と場所の提供を依頼しましたが「そんな場所はないし、貸せない」と断られてしまいました。ハラスメント防止の窓口として学内に設置されている人権相談オフィスにも相談しましたが、おざなりな対応に時間を費やすだけで、何の解決にもつながりませんでした。学部も、学生を守ってはくれませんでした。

 娘は中学高校と競技チアを楽しみながら成長しました。仲間や指導者に恵まれ、大学でも選手生活を続ける選択をしました。2月に部内で起きてしまったことをすぐに監督が冷静に対処くださっていれば、娘は部活にも大学にも戻ることができ、以前と変わらない生活を今も送っていたのだろうと思います。監督が何を守りたくて最初の約束を守らなかったのかは分かりません。監督ができないなら、保体審が動くのは当然だと思っていました。大学に対しては、目の前で扉が閉まったら次の扉を探してでも、娘の名誉回復と対処を求めて動いてきました。年度をまたいでも季節が変わっても何も為されず半年が過ぎました。向き合っていただいた大学の関係者は10人を超えました。このうちの一人でも、またどこの段階ででも、真摯に対処してくださっていたなら、今のようなことにはならなかったと思います。

  今は、娘が健康を取り戻し、どのような場所で何をしてでもいいので笑顔で人生を歩んでいけることだけを望んでいます。

平成30年8月9日

日本大学保健体育審議会応援リーダー部 部員の家族

最終更新:8/9(木) 15:57
毎日新聞

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