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「学校きてね」「待ってるよ」不登校の子どもが葛藤する、クラスメイトからの「お手紙」問題

8/9(木) 7:04配信

朝日新聞デジタル

 【#withyou ~きみとともに~】「学校でつらいときは興味を示してくれなかったのに」「『行かなきゃ』というプレッシャーになってつらい」ーー。学校に行かない、もしくは行けない子どもたちが複雑な思いを抱くのは、同級生などからもらう手紙や寄せ書きです。ネガティブな気持ちを持ちつつも、その思いを飲み込んでいるのは、みんなの「善意」が見えるからこそ。不登校新聞と協力して行ったアンケートから、やりきれない気持ちが見えてきました。2016年度、1千人あたりの不登校の子どもの人数は過去最多となり、小学校で4.7人、中学校では30.1人。あなたのクラスに不登校の子どもがいたら、どうしますか。(朝日新聞デジタル編集部・野口みな子)

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無理やり玄関まで…追い詰められていた

 「クラスメイトがよかれと思って書いてくれたことはわかっています。でも、そっとしておいてほしかったです」

 東北地方に住む20代のワカナさん(仮名・女性)は、言葉を選ぶように、ぽつりぽつりと話します。

 ワカナさんが、学校の教室に入ることが難しくなったきっかけは、中学校2年生のクラス替え。1年生の頃の友だちと離ればなれになり、クラスの中で孤独感を持っていました。

 朝起きられなくなり、「学校に行きたくない」と言っても、母親に無理やり玄関まで引きずり出されたこともあったそうです。母親には「どうして普通のことができないの」と言われ、「何度も死にたいと思った。それくらい追い詰められていました」。

「クラスメイト」ではなく、「不登校の子」

 ワカナさんが学校に行けなくなった頃、小学校が一緒だったという、クラスメイト6人からお手紙をもらいました。そこには「待ってるよ」「学校に来てね」など、登校をうながす言葉が書かれていたといいます。

 「嬉しいという気持ちは全くなかったです。クラスメイトの1人としてではなく、『不登校の子』として見られているな、と感じました。不登校の生徒は、周りにいなかったので」

 それまで言葉少なにゆっくり話していたワカナさんが、当時を思い出し、急ぐようにいいます。

 「教室で1人でつらかったとき、誰も興味を示してくれず、何もしてくれませんでした。いきなり手紙だけもらって……」

 「もしも学校に行っても、誰かが何かしてくれたのでしょうか」

 かみしめるように、ワカナさんは続けます。「この状況になったら、どんなことをしてもらっても気を遣います。疎外感も感じるでしょう。してほしいことは、何もありませんでした」

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