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北京で1万人がデモへ? 燻る反発の火種と、相次ぐ習近平政権の強権ぶり

8/9(木) 12:08配信

FNN PRIME

制服姿の警察官に腕を持たれ、歩道を引きずられていく女性。
バスに強制的に押し込まれていく市民。
これは今月6日、北京市の中心部にある金融街で起きた一幕だ。
一体何が起こったのか?
その背景を紐解くと、今の習近平政権の一強独裁ぶりが透けて見えてくる。

【写真】中国政府が陳情しようとした人々に実力行使

きっかけは、詐欺と規制による「P2P」企業の相次ぐ破綻

借り手と貸し手を、インターネットを利用して仲介する「P2P」(“Peer to Peer”の略、Peerは“同等の人”という意)と呼ばれる金融サービスが、2010年代から中国で人気を集めた。
その最も大きな理由は圧倒的な高利回りで、銀行の理財商品(=中国国内で取引される高利回りの資産運用商品)が5%前後の中、P2Pでは平均9%台の利回りとほぼ倍。さらに取引がインターネットで完結する利便性に加え、中国政府も経済成長のけん引役として金融IT業界を推進してきたこともあり、民間研究所の調査では、その市場規模は25兆円にもなった。

しかし、同時に多発してきたのが、P2Pを利用した投資詐欺だ。高利回りを謳いながら自転車操業で破綻したり、オーナーが資金を持って失踪したりと、元金を失うケースが相次いだ。
こうした状況を是正するため、当局はP2P企業を登録制にするなど規制を今年から厳格化したが、これが逆効果となあり、ほとんどの企業が規制に対応できず相次いで破綻。その数は7月だけでも160社あまりとなっている。
こうして、P2Pでの投資により財産を失った市民らが、今回北京に集まったのだ。

中国全土から1万人の市民が北京に向かうも… 監視と実力行使の当局対応

「資産を失った市民らは、まずそれぞれの地元警察に状況を通報し対応を要請したが、なかなか進展しなかった。そこで、中央政府へ直接申し入れようとの機運が高まり、今回の件に至った」

今回の件をSNSで情報発信する中国人(約700万円のP2P詐欺被害者)はこのように語る。また、今回は政府に対して“反発”をしたいのではなく、あくまで、金融当局に対し業者の管理や元金の返還などの対応を求める“陳情”だったという。

しかし、中国の公安当局は「秩序を乱す」として、内容が何であれ大規模な集会には常に敏感になっている。今回もSNSなどを監視し市民の動きを事前にキャッチ。大規模な集会にならないよう、公安当局は地方政府などに対し、北京へ向かおうとする人の動きを規制するよう、事前に通達を出していた。
更に6日当日は、数百人規模の警察官などを金融街周辺に配置し約8000人の市民を強制排除。北京市内に入る道路や地方の鉄道の駅などでも検問を実施し、約2000人がたどり着くことすらできなかったという。
市民らの行動から2日後、金融街の中心地には依然として通常以上の警備体制が敷かれている。

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最終更新:8/9(木) 13:31
FNN PRIME