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「負けてはならない」共和党地盤で“トランプ離れ”

8/9(木) 18:01配信

FNN PRIME

大接戦のオハイオ州補選 共和党候補が“勝利宣言”するも…

8月7日に投開票が行われたオハイオ州第12選挙区の連邦下院特別選挙(以下、補選と言う)は、共和党候補が1754票差(開票率100%)で民主党候補を上回り勝利宣言した。
しかし、僅差である上、再確認が必要とされる票がおよそ8千票あるとされ、結果は確定していない。民主党候補も8日夜の時点でまだ敗北を認めていない。主要メディアも当確を打たずにいる。

【写真】“トランプ離れ”なのか?

ちなみにアメリカの選挙では、まず負けを認めた候補者が勝った候補者に電話をかけ、おめでとうを直接伝える。そして公に敗北宣言する。それを受けて勝者が勝利宣言する‥という順序で事を進めるという美しい伝統がある。
ところが、2000年の大統領選挙で民主党のゴア候補が早とちりしてブッシュ候補に敗北を認める電話をし、その後に大混乱に陥ってしまった時から慣例が崩れ始めた。政治的な思惑の方が優先され、一方的に勝利宣言したり、敗北宣言を潔いタイミングでしない事例が目につくようになってきている。この補選もそんな感じだ。

共和党支持者の一部が“トランプ離れ”?

閑話休題。
今回の補選で確認できたことは、共和党が大差で勝って当たり前の選挙区で大接戦となり、明らかに異変が起きていることだ。共和党支持者の一部で“トランプ離れ”が起きているとの見方もある。

2年前の大統領選でトランプ氏は、この選挙区で11ポイント差で勝っているし、同時に投票が行われた下院選では共和党現職が37ポイント近い大差で勝っている。それが今回の補選で共和党候補者は、わずか0.87ポイント差に肉薄された。共和党にとっては大ショックだ。

原因を一言でいえば、共和党支持者が投票に行かなかったことに尽きる。
一般に投票率は、大統領選>中間選挙>特別選挙の関係にあることを意識しつつ獲得票数をチェックしてみると、

共和党下院選候補は、2016年の大統領選時は25万1266票、2014年の中間選挙15万573票、今回10万1574票
一方、民主党候補は、2016年11万2638票、2014年6万1360票、今回9万9820票

比べてみれば一目瞭然だ。民主党は2014年の中間選挙時を62%上回り、大統領選の時に迫る投票数を得たのに対し、共和党は、中間選挙時の67%、大統領選時の40%しか得票がない。
民主党が頑張っていることが確認できるが、それ以上に、共和党に勢いがない。

6月半ば時点の世論調査では、共和党候補がおよそ10ポイント差でリードしていた。
ところが、それから2ヶ月の間に差は詰まる一方で、「決して負けてはならない」共和党は必死のテコ入れを続けた。共和党系政治団体が投下したキャンペーン資金は、民主党系の4倍に上ったと報告されているし、ペンス副大統領とは別にトランプ大統領も投票直前の週末に応援演説に出向いた。
投票当日には共和党候補への投票を促すトランプ・ツイートをし、息子のエリック氏も同調ツイートした。それでギリギリ民主党候補を上回った。

2年前の下院選との比較で特に目立ったのは、州都コロンバスに隣接するフランクリン郡での異変だ。民主党は4万票台後半で変わらなかったのに対し、共和党は6万9368票から2万4631票へとほぼ3分の1に激減したのだ。フランクリン郡は選挙区の中で一番学歴と所得が高いエリアなので、トランプ大統領に冷ややかなのでは?と投票行動がとりわけ注目されていた。そして一部のメディアは、『穏健保守派の中で“トランプ離れ”が起きている』と解釈している。

トランプ大統領は投票終了直後のツイートで、「私の応援演説のおかげで劣勢だった共和党候補が勝利した。オハイオで重要な勝利だ!」と誇ってみせたが、“トランプ離れ”と論評されることを先回りしてけん制する意図もあったと思われる。

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最終更新:8/9(木) 18:01
FNN PRIME

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