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金足農・吉田はまるで藤川球児/サブロー氏

8/9(木) 11:00配信

日刊スポーツ

<編成部長サブロー氏>

<全国高校野球選手権:金足農5-1鹿児島実>◇8日◇1回戦

【写真】夏の甲子園・東北勢の1試合14奪三振以上

 甲子園に「火の玉ストレート」の再来だ。金足農(秋田)のプロ注目右腕、吉田輝星投手(3年)が、全国デビュー戦となった第100回全国高校野球選手権大会の鹿児島実戦で、14奪三振で完投した。14三振中、10三振は伸びのある高めの直球で奪った。100回大会の日刊スポーツ「編成部長」を務める前ロッテのサブロー氏(42)は現地で視察し、阪神の絶対的クローザーだった藤川球児投手(38)の直球に重ね合わせた。

 吉田の直球は、ボールの回転がきれいに縦に回転している。スピンの量も多い。回転軸が斜めなどにずれる投手が多い中で、いわゆる「キレがある」と言われる理想的な直球だ。スピン量が多いから、ボールが沈まず、打者にとってホップしているように見える。14個奪った三振の中で、高めの直球が10個あった。地方大会から見てきたが、変化球で空振りが取れても、ここまで高めの直球で空振りを奪える投手は少ない。今年の高校3年生の中では全国NO・1だろう。

 吉田を見て思い出すのは阪神の藤川投手。現役時代に対戦したが、分かっていても高めの直球にバットが当たらなかった。対戦後に「日本一の投手」とコメントしたのを覚えている。鹿児島実の選手は、私が藤川投手と初対戦した時のような感覚だろう。高め直球に対し、ボールの下を振って空振りしている。下を振るということは、思った位置よりボールが浮き上がって見えるということ。高めは振るなと言われても、ストライクゾーンのギリギリに来るから手が出てしまう。スピードガン表示以上に速く見えるはずだ。

 序盤は抜けたボールがあったが、後半の方が腕がしっかり振れていた。相手を見ながら力の入れ具合にメリハリをつけられる。馬力、スタミナもある。高校では先発完投型だが、プロに入った場合はセットアッパーやクローザーに適性があるかもしれない。今の段階では変化球に課題があるが、ロッテ時代にお世話になった小谷さん(現巨人巡回投手コーチ)は「真っすぐがいい投手は、変化球も良くなる」といつも言っていた。フォークなど縦の変化球を磨けば直球の質はクローザーの資質を感じる。

 藤川投手と北京五輪予選でチームメートになった時、遠投の球筋にほれぼれした。約80メートルの距離で、目線の高さのまま一直線にボールが伸びていた。スピンが利いているから落ちない。吉田もこんな直球を目指して欲しい。

 ◆吉田輝星(よしだ・こうせい)2001年(平13)1月12日、秋田・潟上市生まれ。天王小3年で野球を始め、天王中3年生で全中県予選4強。引退後は秋田北シニアに所属。金足農では1年夏からベンチ入り。176センチ、81キロ。右投げ右打ち。家族は両親と弟。

最終更新:8/9(木) 11:07
日刊スポーツ