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会社で「まぶしい」とからかわれた薄毛、強みに変えて起業 コンプレックス前向きに受け入れた社長の思考

8/11(土) 7:00配信

withnews

 【#withyou~きみとともに~】

 他の人と異なる外見をさげすむ「見た目問題」。顔や体形を思い浮かべがちですが、薄毛を巡る偏見にも根深いものがあります。周囲から安易に笑いの対象とされ、傷つく当事者は少なくありません。否定的に語られやすい薄毛を、どうしたら前向きに受け入れられるのでしょうか?自身も薄毛に悩み抜き、コンプレックスと向き合う事業を立ち上げた、男性社長の話から考えます。(withnews編集部・神戸郁人)

【画像】髪でなく個性を伸ばせ!「まぶしい」とバカにされた薄毛を生かそう 劣等感超越するファッション術

全部読めなくてもいいです、これだけ覚えておいて

【松本圭司さんのメッセージ】
・偏見より自分を変える方が早い
・薄毛はバカにされるべきものじゃない
・コンプレックスも人生に彩りを与える要素

オフィス入った途端「まぶしいな」

 取材に応じてくれたのは、「カルヴォ」(大阪市北区)の松本圭司社長(45)です。薄毛の人向けに、服装の提案や、プロカメラマンによる撮影体験といったサービスを提供しています。

 20代後半で抜け毛が増え始めた松本さん。当時勤めていたメーカーでは、オフィスに入った途端、同僚から「まぶしいな」「これなら電気をつけなくても良い」などと言われたそうです。

 以来、薄毛への恐怖心がふくれあがりました。飲み屋で隣り合ったグループから「ハゲ」と聞こえ、「自分のことでは」とおびえたことも。風圧で髪形が崩れないよう、駅では電車に近づかないなど、いつも頭に神経を集中していたといいます。

 「薄毛をからかうのは、肥満の人を『デブ』と侮辱することと同じ。でも周囲は、『そんなに傷つかないだろう』と勝手に考え、当事者に価値観を押しつけてしまうんです」

 「一方で、からかわれた方が過剰に反応すると、『大人げない』『男らしくない』と思われます。本来なら定量化できない髪の量が、優劣の判断に使われている感じでした」

薄毛こそ「売り」と気付いた

 その後も、高額な発毛剤を試したり、育毛サロンに通ったり。しかし「車1台分」ものお金をつぎ込んでも、髪の毛が再び豊かになることはありませんでした。

 転機は約6年前、経営修学士(MBA)の資格を取るため、神戸大学の社会人大学院に通ったことです。

 「もう、隠すのにも増やすのにも疲れた」。同じ授業をとる仲間との飲み会で、薄毛の悩みを打ち明けた松本さん。「それ、面白いね」「もしかしたら、ビジネスになるんじゃない?」。周囲から、そんな声が次々と上がりました。

 「俺、何で薄毛が嫌なんだろう?」。仲間と議論して得た答えは、「薄毛に対する恥ずかしさ」と「周囲の偏見」でした。

 そこでチームをつくり、恥に関する新たなビジネスの手法を研究。その結果、薄毛の人にファッション情報などの需要があると知ったそうです。

 研究の過程で、薄毛こそが「売り」になると気付いた松本さん。その強みを生かす方が、偏見を変えるより早いと考え、2016年8月にカルヴォを起業しました。

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最終更新:8/11(土) 7:00
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