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8月18日~19日の「ツインリンクもてぎ2&4レース」に向け気合十分! スーパーフォーミュラ福住選手、JSB1000野左根選手が編集部に来訪

8/10(金) 17:56配信

Impress Watch

 8月18日~19日の2日間に渡って、ツインリンクもてぎ(栃木県芳賀郡茂木町)で「ツインリンクもてぎ2&4レース」が開催される。日本最高峰クラスの4輪レースであるスーパーフォーミュラと、同じく最高峰の2輪レースである全日本選手権JSB1000が同日に行なわれるこのイベント。今、2人の若手選手に注目が集まっている。

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 1人は2018年からスーパーフォーミュラに参戦し、F1直下のFIA F2にも参戦している福住仁嶺選手(TEAM MUGEN)。今、日本で最もF1ドライバーに近い選手とも言われている。そしてもう1人は、ヤマハのワークスチームでJSB1000に参戦している野左根航汰選手(YAMAHA FACTORY RACING TEAM)。MotoGP世界選手権にスポット参戦した経験があり、ヤマハのMotoGPテストライダーとしても活動中だ。レース本番を1週間後に控えた2人に、今の気持ちなどを聞いた。

■F1を目指す福住選手の最大の課題とは?
――まずは福住選手からうかがいます。福住選手はF2参戦の都合で「ツインリンクもてぎ2&4レース」がスーパーフォーミュラの2レース目ですね。開幕レース以来ということになりますが、開幕戦での感触と、2レース目に向けての今の気持ちを教えていただけますか。

福住仁嶺選手:開幕戦は、(シーズン前の)鈴鹿サーキットでのテストからそれなりに調子がよかったのに、本番のレース当日のフリー走行ではあまりいい感触を掴めませんでした。でも、予選では順調にいけて、チームメイトの山本尚貴さんにはギリギリ負けてしまいましたけど、2番手。初めての予選としては満足していました。

 決勝レースに関しては、初めてのスタートを順調にこなせて、レースペースは微妙ながらも、表彰台圏内で走ることができました。残念ながらトラブルでリタイアという形になりましたけど、わりといい週末だったと思います。来週のツインリンクもてぎは、自分としてはすごく好きな得意としているサーキットですので、とにかく楽しみですね。

――F2とスーパーフォーミュラは、レースとしてはどう違いますか。

福住選手:スーパーフォーミュラはレース距離が長くて、戦略がすごく重要になってきます。僕としてはスーパーフォーミュラで初めてレース中にタイヤ交換のピットインを経験したこともあって、そういう部分でチーム力というのが重要だと感じました。クルマを作っていく上でどうセットアップしていくか、チームとのコンビネーションもすごく大事です。

 長いレースなので、スーパーフォーミュラでは最後まで何が起こるか分からなくて、タイヤ交換を含めて、前半速い方が勝つのか、後半速い方が勝つのか、という部分も戦略によって変わってくるので、そういうところが面白いですね。

――目標はF1と聞いています。

福住選手:今はF1直下のカテゴリーであるF2で走っていますが、いざF1を目前にしてみると、夢はそんなに遠くないのかなと。実際、僕の結果次第ではチャンスはあると思うので、まずは今シーズン、1戦1戦大切に頑張っていければと思います。

――周囲からも日本人で今F1に最も近いレーサーとも言われていますが、プレッシャーにはなりませんか。

福住選手:それを自信に変えて、どんな状態であろうと結果を出すことが重要だと思うので、そう言われていることについてはあまり気にしていないです。プレッシャーになっていないというか、プレッシャーは昔からあるので(笑)。

――F1参戦の夢に向けて、今自分自身に必要なものは何でしょうか。

福住選手:やっぱり速さ、じゃないですかね。それがドライバーにとって一番重要だと思うので。ただ、足りていないものはまだたくさんあるとは思います。例えば海外でやっていくとなると英語力も大事ですし。いかに的確にしゃべれるかによって、チームとのコミュニケーションも変わってきます。チーム力を上げていくとなると、一番フィードバックを言えるのはドライバーである自分なので、それをうまく的確に言えるかどうかが鍵になると思います。

――ちなみに、お2人とも英語はどれくらい話せますか?

野左根航汰選手:自分はほとんど話せないですね(笑)。

福住選手:僕もあまりしゃべれるとは思っていないですね(笑)。2年前に初めてフランスに行ってから、向こうでしかほとんどレースをやっていないので、本当はしゃべれないといけないんですけど……。最近は違和感なくやりとりできるようにはなってきていますが、細かい文法を覚えて、ボキャブラリーも増やさないといけないなと思っています。

■チームメイト中須賀選手と戦い、「狙うのは優勝のみ」
――野佐根選手にうかがいます。2018年はJSB1000の前半戦が終わったところで、ポイントランキング8位。この内容には満足できていないとは思いますが、前半戦を振り返ってみていかがですか。

野左根選手:前半戦はムラが多かったというか、クラッシュでノーポイントもありましたし、そういう部分が目立ってしまったかなと。でも、前戦のスポーツランドSUGOでは2レースとも3位表彰台でした。正直なところ、自分としてはもっと上に行きたかったんですけど、でも調子は戻ってきましたから、後半戦、今度のもてぎの2&4レースに向けては、いい流れで来ているのかなと思います。待ち遠しいですし、そこに賭けているところもありますね。

――連続表彰台と波に乗っていて、開幕戦のツインリンクもてぎでも2位表彰台を獲得しています。この勢いに乗れば次は優勝も見えてきそうです。何か具体的な戦略などはありますか。

野左根選手:戦略というのは正直あまりないですけど、今は特にトップ(中須賀克行選手、渡辺一馬選手、高橋巧選手)が非常に強いのですが、今回はそのトップと戦えると思っていますし、そこで勝てなければ意味がない。狙うのは優勝のみ、と言っていいほどです。

――2018年は中須賀選手と同じヤマハのワークスチームで2年目となります。そういった環境のなか、学べているところはありますか? また、中須賀選手や他のライダーに勝てる道筋みたいなものは見えてきましたか?

野左根選手:チームメイトの中須賀さんは非常に強く、今年、1戦だけタイヤ選択のミスで下位に落ちたことはありますが、それを除くレースではすべて優勝しています。自分と同じバイクを使っているのでそのすごさも分かりますし、高い壁ではありますが、今回はそうはさせないぞと。

――レギュラーライダーとしてMotoGPをシーズンで戦うのが将来の目標かと思います。そのために自分自身にとって今必要なものとは?

野左根選手:1番はもちろん速さでしょう。2017年のMotoGP日本グランプリに代役でスポット参戦したときは、雨でしたけど、思ったより戦えた部分と、そのなかでも自分に足りない部分があるというのがよく分かりました。というのも、もてぎは自分が走り慣れているコースだったので、きっと有利な部分があったのかなと。

 それが例えばMotoGPに参戦して初の海外サーキットで初めてコースを覚える、ということになると、厳しいものがあると思います。それを考えると自分にはまだまだ足りない部分が多いですね。テストでMotoGPマシンには乗れているので、そういう意味では近道を歩けているのかなとは思いますが。

■日本最高峰カテゴリー選手2人のトレーニングの方法とは?――2&4レースの期間中、ツインリンクもてぎでデモ走行が予定されている新しい「SF19」ですが、福住選手としてはその新しいマシンに対してどんな期待がありますか。

福住選手:まだクルマの形しか見ていないですけど、噂によるとあと2~3秒は速くなるという話です。今でも十分速く感じますけど、あれより速くなったらどういう風になるのかすごく楽しみですね。(スピードが上がることで)体力はともかく、首がきつくなると思います。

――福住選手は首を鍛えるトレーニングをしているかと思いますが、お2人ともそれ以外にドライバー、ライダーとして、何か特別なトレーニングはされていますか。

野左根選手:自分は一般的なトレーニングと、例えばMotoGPのテストなどで、乗りながらのトレーニングが中心です。普段からトレーニングはしていても、実際に乗ってみると違う筋肉が鍛えられていないことが分かったりします。でも、そこを普段から鍛えるのは難しかったりして、バイクに乗ってトレーニングするのが1番です。乗りながら追い込んでいく形が自分には合っていますね。

福住選手:4輪の自分もそこは同じで、乗るのが1番トレーニングになります。スーパーフォーミュラのテストをした冬場はスピードが出やすい時期で、グリップもよくなるので、初めて乗った日の午後くらいから首が「あれ? こっちに向かないな」みたいな感じになって最初はきつかった(笑)。

 でも、それ以降は違和感もなく、マシンが速すぎる感じもなく、首も強くなってきているのかなと思います。F2よりもスーパーフォーミュラの方がコーナリングスピードはずっと速いですし、F2はクルマが重い感じがしますね。

――2&4レースは通常とは違って2輪と4輪のビッグレースの同日開催です。いつもと違うところはありますか?

野左根選手:4輪と一緒になると、2輪は(4輪の削れたタイヤカスによって)グリップが影響されやすいというか、思ったより路面が食わなかったりして、難しさはあります。ですが、自分としては悪影響はないと考えているので、そこはあまり気にしていないですね。

 最近はスーパーフォーミュラの走行直後に走っても影響は少ないんです。F3の後はグリップがよくなかったりして、最初の3~4周が特に厳しいので、レースではそこでいかにうまく自分をアジャストできるかが重要です。序盤の逃げ方がレースを大きく左右しますので。

福住選手:JSB1000は本当に見ていて面白いですよね。最後まで誰が勝つか分からないですし。(後半は)けっこうタイヤってきついんですか?

野左根選手:やっぱり、最後は結構厳しいですね。

■深いブレーキングポイント、深いバンク角に注目――ところで、世間は夏休みの真っ最中です。2人にとって夏休みの思い出とは?

福住選手:朝のラジオ体操ですね(笑)。徳島出身なんですけど、神社にみんな集まってやっていたところに毎日ちゃんと行っていました。サーキットにレースを見に行ったりはあまりしなかったですね。カートレースをやっていたのでそれに行くくらいで。ただ、小学校高学年か中学くらいのときに、鈴鹿サーキットでスーパーフォーミュラを見て、いつかこのレースに出るのかな、みたいな気持ちにはなっていました。

野左根選手:僕は夏休みにやる朝のラジオ体操の存在を知らなかったです(笑)。長期休みだと家にいる時間が長いので、だらだらしていて親に叱られるという、辛かった思い出はあります。読書感想文なんかは箇条書きで終わらせていました(笑)。

――今、私生活でハマっていることはあったりしますか?

福住選手:僕は普段イギリスにいるんですけど、1人暮らしで普段あまりやることがなくて、たまに友人と会ったり、ゲームしたり、トレーニングしたりですね。トレーニング以外は暇な時間がけっこうあるので、最近はボルダリングに行っています。手の皮がむけて痛くて……。それ以外は好きな音楽を聞くくらいですね。

野左根選手:僕はゲームとか、ラジコンがすごく好きなんです。いろんなラジコンをやっていて、メインはクルマのドリフトのラジコン。お金の使い道はほとんどそっちにまわっている状況ですね。(3輪)バイクのラジコンもあるので、今度その大会に出ようかなと思っています。

――最後に、「もてぎ2&4レース」で注目してほしいところ、読者や観戦する皆さんに期待してほしいところがありましたら。

福住選手:バイクもスーパーフォーミュラも、一番の魅力はどちらもスタートかなと思います。僕自身スタートが得意だと思っているので、スタートに注目していただければ。

 それと、ツインリンクもてぎ自体はブレーキングの多いストップ&ゴーのサーキットで、S字カーブやダウンヒルストレート終わりの90度コーナーなんかは迫力があると思います。自分はブレーキに関しても自信があるので、他の選手よりも奥でブレーキするぞ、と。90度コーナーあたりはオーバーテイクが多いでしょうし、迫力もあって見ていて楽しいと思います。

野左根選手:パッシングポイントは4輪に比べて2輪の方が多いと思います。ライダーごとに乗り方が大きく違ったりして、ぱっと見で分かりやすいのも面白いんじゃないかと。自分としては、JSB1000の選手の中では1番バンク角が深いと思っているので、そこを見ていただきたいですね。

 レースに興味をもってくれる方が少しでも増えてくれると嬉しいですし、TVで見るより、バイクレースもクルマのレースも生で見ると迫力が伝わったり、レース会場の独特な雰囲気も感じられたりします。夏休み、お盆明けでちょうどいい時期だと思いますので、皆さんに足を運んでほしいですね。

Car Watch,日沼諭史

最終更新:8/10(金) 17:56
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