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防災ヘリ墜落 最後の30分に何が 現場付近で爆音響かせた低空飛行目撃も

8/10(金) 19:10配信

産経新聞

 うっそうとした山の斜面で、生い茂る木々の隙間に見える大破した機体-。群馬県中之条(なかのじょう)町で10日に発生した9人乗り県防災ヘリコプターの墜落事故は、搭乗者のうち2人が死亡、6人が容体不明で、残る1人の安否も確認できない惨事となった。現場付近では異様に低い高度を飛ぶヘリの目撃もある。最後の無線連絡からヘリの現在地情報が途切れるまで約30分に、いったい何が起こったのか。

 山深い斜面にある墜落現場。陸上から現場に踏み入るのは難しいため、救助隊員らはヘリで上空から降り立ち、捜索に当たった。

 コックピットとみられる部分は確認できるものの機体は大破しており、墜落したヘリがなぎ倒したとみられる木々が生々しく残る。

 「普通のヘリコプターと違う『ババババ』という爆音がした」

 現場に近い長野県山之内町の渋峠(しぶとうげ)ホテルの児玉英之専務(46)は午前10時ごろ、あわててホテルの玄関に出たという。空を見上げると、「ものすごい低空飛行で白いヘリが飛んでいた。手が届くような低さで明らかに普通じゃない。何かの撮影か捜索なのかと思った」と話した。

 情報収集が思うようにいかず、群馬県が記者会見を開いたのは午後3時45分になってから。

 担当者によると、ヘリは県が整備した登山道「ぐんま県稜線(りょうせん)トレイル」が新たに開通するのに伴い、危険箇所の有無などを上空から視察するために現場付近を飛行していた。視察は地元の吾妻広域消防本部が県側に依頼したという。

 ヘリは午前9時15分に群馬ヘリポート(前橋市)を出発し、途中で病院などに寄って1時間半後に帰還する予定だった。

 実際にヘリ側から県防災航空隊に最後の無線連絡があったのは午前9時28分。内容は着陸連絡だった。その後、口頭のやり取りはなかったが、ヘリから自動的に現在地情報が送られてくる管理システムでは、午前10時1分に現場付近を飛行しているのを最後に情報が途絶えたという。

 同隊が消息が分からなくなったことに気付いたのは午前11時50分だったため、記者から「遅いのでは」と疑問の声が上がったが、担当者は「ずっと(現在地情報を)ウオッチしているわけではない」と釈明した。

 また、墜落について「大変残念。隊員の救助に全力を挙げて対応したい」と語った。

 平成9年に導入された事故機をめぐっては、今年4月にエンジンから「パン、パン」と衝撃音が鳴り、出力が下がる故障が発生。6月に修理を終え復帰していたが、32年に機体を更新する予定だったという。

最終更新:8/10(金) 19:10
産経新聞