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東京医大女子減点問題は重大な憲法違反・教育基本法違反であるーー女性医師の離職が高いという誤解

8/10(金) 12:11配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

東京医科大学が女性合格者を3割以下に抑えるために、入試における得点を女性にのみ一律に減点して員数調整していたというニュースが2018年8月2日に流れ、当然のことながら多くの批判的論考がメディアに出た。このことについて筆者も考えを述べたい。

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まず、この種の女性差別は決してあってはならないことで、憲法14条第1項で

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。

とし、またそれを受ける形で教育基本法4条において

(教育の機会均等) すべて国民は、ひとしく、その能力に応ずる教育を受ける機会を与えられなければならず、人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。

と記されていることに明確に違反する。

しかし、今回の東京医大のケースについて8月2日の朝日新聞記事は文部省の担当者の談話として「入試の応募要項に男女比の調整を明記していれば、大学の責任で実施できる。東京医大がそうした説明をしないまま調整していたなら問題だ」と述べたと報告している。また、この「担当者」の言を裏打ちするかのように林文部科学大臣も「募集要項にも示されずに、適切な目的なく、不当に女子が差別されているような入学者選抜があるとすれば、文部科学省としては認められない」と述べたという。

「募集要項」に記述があり、「目的が適切」なら良いととれる考えだが、極めて曖昧な表現である。例えば女性合格者を3割に抑えるために「男女別の合格者数を調整すること」や「男女別に異なる定員をもうけること」などの旨を募集要項に書けば、「適切」となるのか否かが明確でないからである。もしそのような目的が「適切」とされるなら、筆者には「女性差別は陰でこそこそやらず、表で堂々とやれ」と差別を奨励することになると思える。政府はこの点自らの見解を憲法や教育基本法との関係においてまず明らかにすべきである。

筆者は女性の医師が圧倒的に少ないという現状という社会的条件のもとで、東京女子医大のように学生を女子のみに限定する例外的大学が存在しても、社会全体としての男女の機会の均等に反しないので「目的が適切」とみなして良い事例とすることに異論はないが、この現状で医大や医学部が女性入学を制限したり排除したりする正当な理由など全くないと考える。また医学部が他の学部に比べ医師という特定の職業に結び付く職業訓練をかねた学部であることを考えると、女性割合の制限は憲法や教育基本法だけでなく雇用機会均等法や男女共同参画社会基本法にも反すると考える。

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最終更新:8/10(金) 12:11
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