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不登校の子、悩む「プリントお届け」 葛藤のなか玄関へ「学校のこと、知りたくない」「置いてきぼりに…」

8/10(金) 14:01配信

朝日新聞デジタル

 【#withyou ~きみとともに~】文部科学省の調査によると2016年度、1千人あたりの不登校の子どもの人数は過去最多となり、小学校で4.7人。中学校では30.1人です。学校に行かない、もしくは行けない子どもにとって、「学校」を感じさせるものを遠ざけたい時期もあります。それでも学校を意識する「接点」となりうるのが、「プリントのお届け」です。学級通信やお知らせ、授業のプリントなどを、家に先生や他の生徒が届けることに、不登校の生徒はどう感じているのでしょうか。不登校新聞と協力して行ったアンケートからは、それぞれの複雑な思いが見えてきました。(野口みな子)

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「クラスの一員」うれしいけれど…

 「クラスの一員として考えてもらえているようでうれしかったです。でも、自分が参加できないことに、焦りや不安を感じることもありました」

 「難しいんですが…」と悩みながら話すのは、東海地方に住む中学3年生のユウカさん(仮名・女性)。小学6年生の頃に学校に行きづらくなり、以来、教室とは別の部屋で過ごしたり、フリースクールに通ったりしています。

 中1の頃は、近所に住む親友が、頻繁に家のポストにプリントを入れてくれていたそうです。学級通信などで学校の行事の様子を知り、届けてもらったテストを家で解くこともありました。

 「嫌な気持ちにもなるけど、クラスのみんながどんなことをしているか知りたかったのかな、と思います」

 ところが、中2になると、プリントのお届けはほとんどなくなってしまったそうです。3年生になってからは月に1回程度、先生が家に届けてくれていますが、学校の情報は知りにくくなりました。

 「置いてきぼりにされている」――、ユウカさんはそう感じるようになりました。テストも渡されなくなり、勉強に対しても「これで大丈夫なのかな」と不安を覚えています。

「プリントほしい」言えない気持ち

 寂しそうに話すユウカさんに、「担任の先生に相談してみてはどう?」と提案すると、「『プリントがもっとほしい』とは、言えないです」。

 思い出すのは、昨年の夏。先生が「ユウカさんが2学期から登校する」と周囲の人に話していた、と知ったときのことです。ユウカさんはそのような意思は伝えておらず、先生の勘違いだったと話します。

 「何がきっかけでそうなったのかはわかりませんが、先生に期待をさせてしまったことが、自分へのプレッシャーになりました。実際、私が行かなくて、周りはどう思ったのかな……」

 「プリントがほしい」と話すことで、「学校に行きたい」という姿勢だととらえられてしまうのでは、と考えています。

 同じ中学校に通っている、心を許せる友だちと書き合う交換ノートには、「学校の行事について書いて」とお願いをしました。「知らせてくれるだけ」の親友を信頼している、と話すユウカさんの表情からは、考え抜いて出した答えであることがうかがえました。

 「今では『無理に学校に行かなくてもいい』と思えるようになったけれど、『学校なんていいや』と投げやりになってしまいそうで怖い。心の中では『中学生でありたい』という気持ちがあるんだと思います」(ユウカさん)

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