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4~6月期GDP、半年ぶりプラス成長 個人消費が景気回復下支え

8/11(土) 7:55配信

産経新聞

 ■米中貿易摩擦に根強い警戒感

 内閣府が10日発表した平成30年4~6月期の実質国内総生産(GDP)速報値は半年ぶりのプラス成長となった。1~3月期は9四半期ぶりのマイナス成長だったが、天候不順による一時的なもので、景気回復が順調に続いていることが裏付けられた格好だ。ただ、今後、米国発の貿易摩擦が深刻化するリスクもあり、自動車など輸出関連企業を中心に警戒感は根強い。(桑原雄尚)

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 「これまでは安く売って数で稼ぐというデフレ時代の考えが続いていたが、メーカー各社も付加価値を付けて価格に乗せ始めている。消費者も相応の価格を受け止めている状況だ」

 サントリーホールディングスの肥塚真一郎取締役専務執行役員は今月7日の決算会見でこう述べ、景気回復に伴う消費者マインドの前向きな変化を強調した。個人消費は着実な賃上げを背景に前期比0・7%増と、0%台前半の増加とみていた民間エコノミストの予測を大きく上回った。

 個人消費はGDPの6割を占め、実質GDPの内訳をみると、外需が0・1%マイナスに寄与する一方、個人消費を含む内需が0・6%押し上げた。米国の減税効果などで今後も世界経済は拡大が見込まれ、24年12月から始まった景気回復局面が、今年12月に戦後最長の「いざなみ景気」(14~20年、73カ月間)に並ぶことも視野に入ってきた。

 “戦後最長景気”の達成に立ちはだかるのが米国発の貿易摩擦だ。トランプ米政権が3月に発動した鉄鋼・アルミニウムの追加関税に加え、輸入車へも対象拡大を検討しており、自動車業界からは「発動されると影響は非常に大きい」(トヨタ自動車の白柳正義専務役員)。鉄鋼業界からも「影響が大きく、先行きを懸念している」(新日鉄住金の宮本勝弘副社長)との声が上がる。

 中国との追加関税の応酬や対イラン制裁の復活も世界経済に冷や水を浴びせかねない。国内では異例の猛暑による外出控えが景気を冷やすとの見方もある。

 米ワシントンでは9日、日米閣僚級の新しい通商協議の初会合が始まった。秋の中間選挙に向けて実績づくりを急ぐトランプ政権に日本が防戦一方となれば、景気の雲行きも怪しくなる。

最終更新:8/11(土) 8:13
産経新聞