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西日本豪雨 保育所、避難勧告でも開所 神戸市、休所の統一基準なく

8/11(土) 8:43配信

産経新聞

 西日本豪雨で避難勧告・指示などが各地で相次いだ7月6日当日、約10万人に避難勧告が出ていた神戸市で、市立の全小中学校と幼稚園を休校・休園としながら保育所はすべて開所していたことが、市への取材で分かった。同市には避難勧告に絡む保育所の休所基準がなく、市や施設が個別に判断している。専門家は「子供の安全を考え、休所の基準を定めるべきだ」と指摘している。(中川三緒)

 6日朝の時点で約10万人に避難勧告が出ていた神戸市では、市立の小中学校と幼稚園全288校園が休校・休園。しかし、市立保育所は土砂災害警戒区域や浸水想定区域にある4所を含む全58所が開所した。

 一方、約50万人に避難指示・勧告が出た京都市は全247校園が休校・休園し、保育所も全17所のうち避難勧告が出ていた山科、右京区などの9所が休所。大阪市は全473校園のうち休校・休園は15校園にとどまったため、休所した保育所はなかった。

 神戸市子育て支援部によると、警戒・想定区域内にある4所の保護者に対し、5日夜に可能な限り自宅で保育してほしいと電話連絡したが、仕事を休めないなどの理由から各所とも1~2人程度を預かった。市の担当者は「幼稚園などの教育施設と違い、保育所は家庭で世話できない乳幼児を預かる福祉施設のため、休所の判断はできなかった。今後どう安全を確保するか検討したい」と釈明する。これに対し、京都市の担当者は「子供の安全が第一。避難勧告が出ていれば保育はできない」と話す。

 全国の保育所の約90%が加盟する全国保育協議会(東京)によると、災害の危険性は地域によっても差があるため、休所の全国的な統一基準を作ることは難しいという。現状では休所の判断は各自治体や保育所に委ねられている。

 徳島大環境防災研究センター長の中野晋教授(地域防災学)は「自治体は保育所を閉めれば保護者からクレームが来ると懸念しているのではないか」と指摘。「避難勧告が出た場合など休所の基準をそれぞれの保育所で作り、保護者にも事前に説明して理解を得ることが必要だ」としている。

最終更新:8/11(土) 8:43
産経新聞