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「先送り狙っているわけでは…」焦燥感強める日本 新通商協議、打開策見いだせず

8/11(土) 22:27配信

産経新聞

 FFRの初会合で、日本は米国が迫る2国間によるFTAの交渉入りはかわしたものの、米側が検討する自動車輸入制限の回避では明確な成果は得られなかった。今後も協議は継続されるが、強硬な姿勢を崩さないトランプ米政権に対して有効な打開策は見いだせていない。米側が中間選挙に向け対日圧力を強めることが予想される中、日本側には焦燥感も強まっている。

 「結論の先送りを狙っているわけではない」。FFR初会合を受け、経済官庁の幹部はため息をつく。

 トランプ政権が検討する自動車輸入制限の発動が迫る中、協議を先送りするだけでは日本は追い詰められる。初会合には財務省や農林水産省など各省から次官級が参加し、「アイデアを各省から出してもらった」(政府高官)。

 ただ、交渉カードは限られ、手詰まり感も漂う。

 日本は米国を除くTPPを早期に発効させ、米国を含むTPP交渉で合意した内容以上は譲歩できないとする「防波堤」にしたい考えだ。ただ、発効は来年初めが見込まれ、11月の中間選挙前の成果を目指すトランプ政権への牽制(けんせい)としては即効性に乏しい。

 日本は米国からの圧力をかわすため、米国産エネルギーの輸入増加や対米投資の拡大も検討するが、トランプ政権にどこまで通じるかは未知数だ。

 米側が求める農産品などのさらなる市場開放では、来年夏の参院選を控え譲歩は難しい。

 自動車の輸入制限では世界貿易機関(WTO)への提訴なども視野に入る。だが、安全保障などを頼る米国との決定的な対立は避けたいのが本音だ。

 日米は9月下旬に想定される首脳会談までに、FFRで一定の成果を目指す。

 10日の協議終了後、茂木敏充経済再生担当相は記者団に「うまくいけば9月までに同じ球でキャッチボールできるようになる」と述べ、日米の歩み寄りに期待感を示した。だが、状況を打破する糸口は見通せず、日米首脳会談まで残された時間も少ない。(大柳聡庸)

最終更新:8/11(土) 22:27
産経新聞