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高さも動きもいろいろ 複数タイプある駅のホームドア、その使い分けは

8/11(土) 7:20配信

乗りものニュース

ホームドア設置駅は10年で倍増

 駅ホームからの転落を防ぐホームドアの設置拡大が進んでいます。国土交通省の調べによると、2017(平成29)年3月末時点で全国686駅のホームに設置されており、設置駅数はここ10年で2倍以上に増えました。

【写真】開業90年を迎えた地下鉄駅にもホームドア

 首都圏の通勤路線では、東京メトロ有楽町線や都営大江戸線でホームドアの設置が完了したほか、銀座線、千代田線、都営新宿線でも整備が進んでいます。2018年3月、JR東日本も首都圏在来線主要路線の全駅に、2032年度までにホームドアを設置する長期計画を発表。東急電鉄は東横線・田園都市線・大井町線の全駅へのホームドア設置を進めており、2019年度中に完了する見通しです。

 ひと口に「ホームドア」と言ってもその形や機能は様々で、製造するメーカーも複数ありますが、現在使われているホームドアは大きくふたつに分類できます。

 ひとつは東京メトロ南北線やゆりかもめなどの新交通システムで採用されている「フルスクリーン型(またはフルハイト型)」です。1980年代から新交通システム、1990年代から地下鉄で設置が進んだ比較的歴史の古いホームドアでもあります。ホームと線路を隔てるため、転落や線路内への侵入を完全に防げますが、装置が大掛かりで後から設置することが困難という欠点があります。

もうひとつは高さが半分の「ハーフハイト型」

 もうひとつが、東京メトロ丸ノ内線やJR山手線などで採用されている「ハーフハイト型」です。正式には「可動式ホーム柵」といい、法律でもフルスクリーン型の狭義の「ホームドア」とは区別されていますが、現在は特に区別せずまとめてホームドアと呼ばれています。

 フルスクリーン型と比較すると高さは約130cmと半分(ハーフハイト)ですが、簡単には乗り越えられないため安全性は同等で、さらに小型で軽量なので営業中の路線にも後から設置しやすいという利点があります。コストパフォーマンスに優れることから、つくばエクスプレスや東京メトロ副都心線など新線でもハーフハイト型が主流になっています。

 それでもホームドアの設置には依然として大きなハードルがあります。まず1路線あたり最大で数百億円にもなる費用です。ハーフハイト型のホームドアでもひとつのユニットあたり約500kgにもなり、古い構造のホームでは重さに耐えられないことから、補強やホームを造り直す工事が必要になります。また、車両のドアとホームドアがずれると乗降できないため、列車を定位置に停車させる装置や、車両のドアとホームドアを連動して開閉させる装置の搭載など、車両側の改修工事も必要になるからです。

 もうひとつがホームドアの設置によりドアの開口部が固定されるために、ドアの枚数や位置の異なる車両が走行する路線には対応できないという問題です。車両をすべて置き換えてドア位置を統一させる荒業や、ドア開口部を広くとって設置位置のズレを許容する方法など様々な対応策が講じられてきましたが、特急車両が走る路線などでは完全な対応は困難です。

 そのため数年前までは、都心のドル箱通勤路線であればまだしも、郊外を含めた全路線での設置は現実的ではないと考えられてきました。こうした問題を解決し、ホームドアの設置拡大を進めるために、新しいタイプのホームドアが登場しています。

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