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陸自車両の大行列、どうとりまとめる? 多数の車両を効率よく移動させる仕組みとコツ

8/11(土) 11:10配信

乗りものニュース

長大車列の背後には綿密な計画と移動のためのコツがある

 陸上自衛隊は全国どこにでも安全に移動できるように、「長距離移動訓練」や「転地訓練」という名目でクルマなどによる移動訓練を行っています。

【写真】サイドミラーなどを装着した16式機動戦闘車

 多数のクルマが一度に移動するには、事前に様々なルールが決められます。行進順序、休止点(休憩地点)、移動速度などがそれに当たります。また、これらの部隊移動を指揮する人もいます。

 陸自では、一般道で見られるような縦に長く形成されたクルマの車列のことを「梯隊(ていたい)」と呼びます。これは、縦長の行進隊形のことで、横に並ぶクルマがおらず、車間距離も取っているため、万が一の敵の砲弾による攻撃を受けたとしても、被害を最低限に抑えることができます。そのため、陸自ではこの隊形をいつでも保持できるように、様々な場所で訓練しているのです。それは一般道での走行時にも安全確保で役に立つ、陸自ではポピュラーな隊形なのです。

 部隊によっても差がありますが、梯隊は通常2~10両程度をひとつのグループとしてまとめます。この梯隊をまとめる人を「梯隊長」と呼びます。

 梯隊長は、このグループ内での一番立場の高い者が指定され、梯隊内での行動に全ての責任を持ちます。そのため梯隊長は、万が一の事故の際に迅速に対応することができるように、梯隊の最後尾から追従していく場合がほとんどです。なぜならば、梯隊の先頭を進んだ場合、後ろで何か事故が起きても、すぐに気が付くことができず、対応に遅れが出てしまう場合があるからです。ただし、場所やその時の状況によっては、先頭を走る場合もあります。

 多数のクルマを取りまとめる梯隊長ですが、いったいどのように指揮を執るのでしょうか。

 梯隊長は、出発前にクルマの操縦手や車長を集めます。ここでいう「車長」とは、各クルマに乗っている最上級者(先任者)のことです。多くの場合、車長だけ集められますので、10台のクルマがあれば10人の車長が集まることになります。

 ここで梯隊長は、集まった車長たちに様々なことを伝えます。そのおもな内容は、目的地、移動経路、休止点、行進順序、そして「行進隊形」です。

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