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ロシア、NATOの弱点「スヴァウキ・ギャップ」近くに軍事拠点を展開

8/11(土) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

・ロシアは近年、軍の拠点とその能力の拡大を進めている。

・特にここ数カ月は、バルト海に面した飛び地、カリーニングラード州において軍事拠点の新設および増設の動きを見せている。

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ロシアはバルト海に面した飛び地、カリーニングラード州での動きを活発化させている。

地球画像観測事業を展開するプラネット・ラボ(Planet Labs)が収集した衛星画像から、カリーニングラード州の町バルチースにある複数の掩体壕(兵士や物資を攻撃から守るための施設。通常、かまぼこ型のコンクリート製で上を土で覆う)で何らかの動きがあることが判明したと軍事情報誌ディフェンス・ワン(Defense One)は伝えた。バルチースクにはバルト海に面する不凍港と2つの空軍基地がある。

2018年3月から6月にかけて「目に見える変化があった。建造物の要塞化を進めているようだ。建造物には爆発物を保管する掩体壕の特徴が見受けられる。また構造を強化するために盛り土が行われている」とコンサルティング会社3ジンバルズ(3Gimbals)の上級地理空間アナリスト、マット・ホール(Matt Hall)氏はディフェンス・ワンに語った。

ホール氏は衛星画像に映っている他の建造物も、同じ時期に強化された形跡があると語った。この地域は森林に覆われているため、ロシア軍の活動の詳細は分からない部分があるものの、木々の間にはさらに多くの建造物があるようだ。そして要塞化のレベルはそれぞれ違っている。

「一部の建造物に変化が認められる。天井を覆う構造物や防水シートが撤去され、保管されている物資が見えているところもある」とホール氏。

「加えて、新しい物資、あるいは再度補給された物資もあるようだ。輸送コンテナらしきものもある」

ホール氏はまた、衛星写真から線路が敷設されたことが分かるとディフェンス・ワンに語った。

カリーニングラード州はポーランドとリトアニアに挟まれたロシアの飛び地、旧ソ連時代からの重要拠点だ。近年のロシア軍の増強の中で、カリーニングラード州での軍の活動は活発化している。さらに同州には、ロシア海軍のバルチック艦隊が配備されている。

カリーニングラード州のロシア軍は、NATO(北大西洋条約機構)との間の摩擦の原因となってきた。

2016年10月、リトアニアのダリア・グリボウスカイテ(Dalia Grybauskaite)大統領は、カリーニングラード州に核弾頭が搭載可能なイスカンデル・ミサイルが配備されたことに対して、「軍事力を誇示する攻撃的な行為であり、バルト3国のみならず、ヨーロッパ各国に対する侵略行為」と非難した。

イスカンデル・ミサイルの最大射程距離は約500キロ、過去にも一時的にカリーニングラード州に配備されたことがある。だが2018年2月、グリボウスカイテ大統領はロシアはミサイルの数を増やし、「恒久的に」カリーニングラード州に配備したと語った。

ロシア議会防衛委員会の委員長はイスカンデル・ミサイルの配備を認め、東ヨーロッパにおけるNATOの勢力拡大への対抗策と語った。ロシアの広報官はまた、ロシアには自国の領土に軍を配備する「主権国家としての権利」があると述べた。

さらに6月に発表されたアメリカ科学者連盟(FAS)の報告書は、カリーニングラード州の他の地域にある核兵器保管施設とみられる場所でも、改築の動きがあることを明らかにした。

衛星画像から「クリコヴォ(Kulikovo)付近にある3つの掩体壕のうちの1つが2106年に掘り起こされたことが分かった。改築のためと思われ、2018年には再び覆われたことから、まもなく稼働状態に復帰するとみられる」と報告書は記した。

施設の詳細を決定づける衛星画像は少ないものの、報告書によると「施設の特徴から、ロシア空軍もしくは海軍の共同利用施設と考えられる。または、各軍の共同施設として、この地域の空軍、海軍、陸軍、防空部隊、沿岸防衛部隊のために核弾頭を保管している可能性もある」

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最終更新:8/11(土) 12:10
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