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山根氏による不正判定疑惑の元凶「世界基準」背景も

8/11(土) 4:58配信

日刊スポーツ

 「山根判定」の根幹は? トップの辞任に至った日本ボクシング連盟の騒動。山根明前会長(78)の意図的な判定操作の疑いは「山根判定」として注目され、8日の「日本ボクシングを再興する会」の告発では、不正判定の指示を裏付ける新証拠も提出された。

【写真】報道陣からの質問に口に指をあて無言で帰宅する山根明前会長

 なぜ不可解な判定はまかり通っていたのか。そこには同じく判定問題に揺れるAIBA協会(国際ボクシング)との関連性が浮かび上がった。ある理事の証言を元に、問題の真相に迫る。

 「世界基準」こそが、山根前会長による不正判定疑惑の元凶だったと言えるかもしれない。今回の騒動を受けて辞任を決意したある理事が言う。「会長は国際協会で本当に力を持っていた。判定も、その威光を受けて有利に働いたことがあったと思う。その考え方を国内でも通してしまったのかもしれない」。

 国体、大学リーグ戦などでの理不尽な判定問題は、山根前会長の全面否定によって、解明の糸口が見えない。8日の「再興する会」の会見では、「接戦した場合、奈良やな」などと話す音声が公開されたが、当人は「(審判不正は)一切ない」と反論した。そもそも、なぜ不可解判定が通じる土壌があったのか。それには国外の事情が大きく影響していたと見られる。

 多くの目撃者がいるのは98年アジア大会(バンコク)。フェザー級準々決勝で日本選手がラオス選手に放った左アッパーはローブローと判定され、1度は失格負けに。ここで動いたのがジュリー(審判委員)を務めていた山根前会長。レフェリー1人1人に、「イエス、オア、ノー?」とボディーかローブローかを聞き、結果としてボディーでのダウン判定。試合も勝ち、その後の銅メダル獲得につながった。山根前会長は「無冠の帝王」と英語で書かれた名刺を手に、AIBA内で成り上がり、8年間常務理事を務めた。その影響力を証明するような現実。先述の理事は「そうやって日本に実績を残してきたのは事実」と振り返る。

 国際オリンピック委員会(IOC)は現在、AIBAに対し、審判の判定問題などで東京オリンピック(五輪)からの競技除外を検討している。アジア大会の一例を見ても、あまりにも露骨な判定が行われていたことが見て取れる。山根前会長にとっては「山根判定」も国際基準を日本に持ち込んだ結果としか考えていないのかもしれない。

 国内でも、国外でも、もはや公平性が疑われる判定が通じないのは常識だが…。競技自体を巡る問題の根っこは深い。

最終更新:8/11(土) 6:09
日刊スポーツ