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中国の未婚女性も気になる、卵子の凍結 国外での方法を模索

8/11(土) 19:35配信

東方新報

【東方新報】中国語の「冷凍卵子」をインターネットで検索すると、中国内外の医学サービス機関の広告がたくさんヒットする。

 広告のうたい文句である「凍結卵子」は、「進んだ考え方を持つ都市の職業女性のために提供する、一種の出産と育児のための保険」なのだという。

 セレブで高い消費能力を持つ中国のエリート女性に向けて、年齢が若く、卵巣機能がまだ衰えていない時期に、「明日への希望」として前もって卵子を保存しないか、と問いかけている。

 中国の北京、上海、広東の大都市では、この種の提案を受け入れられるようになった妙齢女性が増えている。

 金融会社管理職の王さんは、30歳を超えた今も単身だ。友人が一人また一人と結婚し子どもを産む一方、自分はますます歳を重ねていく中で、子どもを産み育てる年齢を過ぎてしまうことを心配している。だが同時に、子どものためだけに「適当な相手と結婚する」ことは嫌なので、外国旅行に出かけた際に卵子の冷凍を検討していると語る。

 北京の陸さん(35)は、不安定な男女関係を終えた後に、卵子の凍結を決心した一人だ。「もし、即結婚できるパートナーがいるのであれば、当然、自然受胎を選ぶが、40歳を過ぎてもパートナーが見つからなかったらどうしよう?」と危惧する。

 王さんと陸さんのケースは特殊ではない。

 女性の多くは、結婚と出産と育児のプレッシャーのために、卵子凍結という方法で、自分の恋愛と結婚、出産と育児の時間を後ろにずらそうとしているのだ。

 ある女性は、自分の仕事が出産と育児によって影響を受けることを何とか避けたいと考え、仕事に打ち込める時間を手に入れようとしている。ただ、中国の卵子凍結技術は自由に利用できる状態には無く、未婚女性や出産育児能力に問題のない夫婦は未受精卵と受精卵を凍結することは許されていないので、外国での方法を選ぶしかないのだ。

 陸さんは、友人の紹介で米国の「生殖センター」という名を冠した会社に連絡した。会社側の説明では、技術的には『ノーミス』を保証すると言い、自分たちは仲介業者ではなく、医療機関に属する一部門だとの説明だった。年間の受診件数は1500例で、30年の歴史があるなどとも言っていたという。「ただ、成功率についても、卵子凍結の失敗率のデータもない」。陸さんは首をひねる。

 高成功率をうたう技術的保証のほか、無期限の凍結保存についても、陸さんは疑問に感じている。問い合わせた医療機関との対話では、担当者は、卵子の保存期間は無期限で、凍結期間にかかわらず卵子の蘇生率は同じだと説明したという。

 卵子凍結技術の費用は、1万ドルから2万ドル(約111万円~222万円)だ。2年目以降は、1年ごとに600~800ドル(約6万7000円~約8万9000円)の保管費用を支払う。最初に支払った凍結費用の有効期間について仲介業者に尋ねたが、未だに満足できる回答は得られていない。

 陸さんが提供した資料によると、大部分の企業は個人の医師が開設したラボや診療所だ。「凍結期間は5~10年が必要だが、この種のラボや診療所がいつまで存続できるのかが問題だ、10年後に自分の冷凍卵子を手にすることができるのか、仲介業者は保証をしてくれない」

 前述の仲介業者は、卵子の凍結以外に、代理出産などのサービスも提供するという。中国人女性が凍結した卵子が、それを必要とする顧客に売られていき、出産したケースも少なくないという。

 中国国家衛生健康委員会の正式見解は、現行法では、単身女性の出産と育児を禁止はしておらず、『人口と計画生育法』第17条規定では、「すべての国民は生育権がある」と示されている。『婦女権益法』第51条の規定では、「女性は国の規定に基づき生育権がある」と定めている。『婚姻法』も、未婚女性は既婚女性と同等の生育権を有する、とあり、如何なる人もこれに危害と差別をしてはならないとしている。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:8/11(土) 19:35
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