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福島市の巨大モニュメントにネットで批判「科学的にあり得ぬ」「新たな風評引き起こす」制作者謝罪、市と扱い協議

8/12(日) 11:10配信

河北新報

 福島市に恒久展示された巨大モニュメントにインターネット上で批判が噴出し、制作者が謝罪文を掲載する事態となったことが11日、分かった。問題視されたのは作品の胸にあるデジタル表示「000」。放射線量を計測する線量計を模したが、「科学的にあり得ない」などと指摘された。

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 作品は、東京電力福島第1原発事故に着想を得た現代アート。寄贈を受けた福島市の木幡浩市長はツイッターで「現代アートは科学とは異なり抽象化して表現します」などとつぶやきを重ねて理解を求めている。

 モニュメントは高さ6.2メートルの「サン・チャイルド」。ヘルメットを外した防護服姿の子どもの像で、放射線不安が解消された様子を表現している。

 現代美術作家ヤノベケンジさんが2011年10月に初公開した。今月からJR福島駅近くの教育文化複合施設「こむこむ」入り口に展示されている。

 批判は今月3日の除幕式以降に相次いだ。自然界には宇宙や大地からの放射線が存在することから「科学的にあり得ない『000』表示が付いたものを設置するのは反対」といった意見がツイッターなどに投稿された。「防護服が必要なほどだったという新たな風評を引き起こす」との声も上がった。

 放射線に詳しい菊池誠大阪大教授(統計物理学)も批判した一人。取材に対して「放射線量ゼロでないとヘルメットを脱げない、安全でないように見える点が問題だ。放射線への理解を広げる努力が水の泡になる」と懸念を示した。

 ヤノベさんは10日、自身のウェブサイトに「不愉快な思いをさせてしまった。『放射能』に対する知識の正確さが求められていることに配慮すべきだった」などと記載した。

 作品の狙いについては、河北新報社の取材に「胸の数字は、原子力災害がない世界という象徴的な意味を込めた」と説明。誤解される恐れも念頭にあったが、「作品全体で希望のイメージを伝えられると思い込んでしまった」と語った。今後は作品の扱いを福島市などと話し合う考えだという。

最終更新:8/13(月) 22:55
河北新報