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<夏の高校野球>済美の政吉、逆転劇の主役に

8/12(日) 21:51配信

毎日新聞

 ○済美(愛媛)13-11星稜(石川)●(12日・阪神甲子園球場、2回戦)

 ◇済美・3年 政吉完哉(まさよし・かんや)外野手

 6点差をひっくり返した八回の逆転劇の主役になるとは思わなかった。こすった力ない打球が左翼に高々と上がる。感触は良くなかった。それでも、浜風に乗ってポール際に吸い込まれた。「何が起きたのか分からなかった」

 八回、5点を返して1点差に詰め寄り、なお2死一、三塁。1ボールからの2球目。高めの137キロの直球を何とかバットの芯に乗せた。全力で一塁を回ったあたりで、球場の大歓声が耳に入った。

 公式戦で本塁打を打った経験はなく、練習試合でも1本だけ。絶好の逆転機も「(逆転の)チャンスがあると信じていた。9番打者なので次につなぐことだけを考えた」と自分を見失わなかった。

 延長十三回には、逆転サヨナラ勝ちを呼び込むセーフティーバントも決め、4打数4安打の大当たり。勝負強さも器用さも見せつけたが、内心は「緊張感が半端なくて、寿命が縮まりそうだった」と興奮気味に振り返る。

 創部2年目の2004年センバツで初出場初優勝を果たしたことは直接には知らない。新たな世代の一振りが「ミラクル済美」の歴史を紡いだ。【長宗拓弥】

最終更新:8/12(日) 22:52
毎日新聞