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赤字で揺れた「阿波おどり」開幕…総踊り中止の影響か、チケット売れ行き鈍く

8/12(日) 20:48配信

産経新聞

 徳島の夏の風物詩「阿波おどり」が12日夕、徳島市で開幕した。4億円超の累積赤字問題で一時、「中止か分裂開催」などと危惧されたが、例年通り15日まで開催される。だが観光客の出足は鈍く、桟敷席チケットの売れ行きは伸び悩んでいる。

 市内4カ所の有料演舞場には、「連」と呼ばれる踊りのグループが登場。鉦(かね)や太鼓、笛が奏でる囃子(はやし)に乗って「ヤットサー」の掛け声に合わせ、華やかでしなやかに舞う女踊りと、力強く跳躍する男踊りを披露。期間中、街は「踊るあほうに見るあほう」で埋め尽くされる。

 新しい主催者は、市や徳島新聞社らで作る「阿波おどり実行委員会」。委員長を務める遠藤彰良市長は、4カ所の桟敷席チケットの売れ行きに偏りがあるとして、南内町演舞場で午後10時から演じられていた踊り子や演奏者ら約2千人による名物「総踊り」の中止を決定。33の有名連を4カ所の演舞場に分散させる新たな演出も企画した。

 だが、総踊りを実施してきた「阿波おどり振興協会」は、あくまでも総踊りの実施を要望。これに対し、遠藤市長は演舞場への振り分けに賛同しなかった振興協会所属の14連を午後10時以降は演舞場から締め出し、残る19連を均等に振り分けることを決めた。

 昨年までの主催者は、累積赤字をめぐり市と対立していた市観光協会と、徳島新聞社。振興協会は、観光協会の破産を回避させるため、資金集めなどで支援してきた経緯がある。

 一方、今年の有料演舞場や「選抜阿波おどり」などのチケット販売率は7日時点で約51%で、昨年同時点を9ポイント下回っている。昨年の有料演舞場の初日(12日)の販売率は、総踊りが行われた南内町演舞場が100%、4カ所全体は99・7%。4日間通しの全体販売率は84・4%だった。

 阿波おどり事業の収益(25~28年度)は、チケット収益が約1億8600万~約1億9600万円で、収益全体の71~74%を占める。今年はチケットの売り上げが伸びず、各桟敷席で空席が目立っており、市民からは「総踊りが中止になったのは残念。見どころがなくなった影響もあるのか、桟敷席以外でも観光客は減少しているようだ」といった声が聞かれた。

最終更新:8/12(日) 20:48
産経新聞