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光星ナイン一丸、試合直前に亡くなった友へ勝利ささげる

8/12(日) 11:22配信

デーリー東北新聞社

 亡き友にささげた甲子園の1勝だった。八学光星硬式野球部の2年吉川智行投手が9日、帰らぬ人となった。昨秋に脳腫瘍が見つかり、実家のある東京都内で闘病中だったが、光星の初戦を見届ける直前に、息を引き取った。優しくて、真面目だった仲間のためにと、チーム一丸でつかんだ勝利。仲井宗基監督も「選手の頑張りが天国に届いた」と涙を浮かべた。

 「勝たなければいけない理由がある」。試合前日の10日、光星ナインの多くから聞こえてきた言葉だ。2年前、相手チームに対する大声援にのまれて逆転負けを喫したことへのリベンジ、チームと仲井監督の記念すべき「20勝」、そして吉川投手を弔うためにも、初戦の勝利が絶対に必要だった。

 「優しくて、人間味がある、困っている人を助けるような人だった」。7月の青森大会で投手としてベンチ入りした、同級生の後藤丈海選手は吉川投手をこう振り返った。

 異変が起こったのは昨秋。吉川投手が「ボールが二重に見える」と話し、ストライクも入らなくなった。目の検査をするため、八戸市内の病院へ行ったが、脳の精密検査を進められた。

 その結果、腫瘍が見つかり、昨年11月ごろから寮を離れ、治療に専念。それでも今春、関東地方の遠征で花咲徳栄(埼玉)と練習試合をした際、応援に訪れるなど仲間と野球への熱い思いは消えることはなかった。

 光星ナインが訃報を聞いたのは、試合前日の10日の練習前。あまりに悲しい知らせだったが、「吉川のためにも勝とう」とチーム全員で固く誓った。

 11日の試合。延長戦の末、光星は競り勝った。「本当は自分たちがプレーする姿を見せたかった。今は、少しでも彼にいい報告がしたい」と長南佳洋主将。悲しみはそう簡単に癒えない。それでも今は、野球が大好きだった仲間の思いを背負い、チーム一丸で白球を追い掛けるつもりだ。

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