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「自主的サマータイム制度」導入企業の効果は?

8/12(日) 12:34配信

ニュースイッチ

 猛暑が予想される2020年の東京五輪・パラリンピックの対策として、突如始まったサマータイムの導入議論。しかし準備期間が短く、国民生活への影響が大きいことから反対意見も多い。一方で、自主的にサマータイム制度を導入して朝方勤務を推進する企業からは、仕事の効率が上がったなどと、肯定的な声もあがる。

 みなと銀行は11年から、毎年8月にサマータイムを実施している。始業、終業時間を30分繰り上げる。終業後を有効活用するため余暇活動や自己啓発を支援するメニューも充実。18年には家庭の育児などへ行員が積極的に参加することを狙いに、サマータイム初日に従業員の子どもを対象として「みなと子供参観日」を実施した。

 17年8月の従業員1人当たりの平均残業時間は、導入前と比べ約1時間30分短縮。人件費は約4000万円削減できた。当初は顧客サービス低下の懸念もあったが、今では取引先から「提案の密度が濃くなった」と評価されているという。

 サマータイムから派生する形で「朝型勤務制度」も導入した。17年10月から試行し、18年4月から本店全体に広げた。7時からの勤務を認め、19時以降の残業を禁止する制度。通年の働き方改革も進めている。

 東京急行電鉄は14年から本社地区勤務者約1500人を対象に、5―9月に勤務時間を1時間前倒しするサマータイムを運用している。ワークライフバランスの推進を念頭に、2年の試行期間を経て本格導入した。09年に導入した30分単位で個別の勤務時間帯をずらせる制度「スライド勤務」との組み合わせで、社員の都合に合わせた“働き方”を実現している。

 サマータイム期間中は朝が早いものの、夕方は早めに勤務を終えることで、家族と過ごす時間や趣味を楽しむ時間を創出できる。定時の労働生産性向上にも一定の効果を発揮したようだ。導入前に比べ、「5―9月の所定外労働時間(総量)は約13%減った」(東急電鉄)という。朝の通勤ラッシュは8時台がピーク。鉄道会社として混雑緩和のために率先してピーク時を外す狙いもある。

 日本睡眠学会は以前、睡眠の質の低下を懸念してサマータイム導入に否定的な見解を出すなど、健康被害のリスクも取り沙汰されている。ワークライフバランスの見直しの一環として、多様な働き方に結び付くような議論へとつながれば、導入に前向きな意見も増えるかもしれない。

最終更新:8/12(日) 12:34
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