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自然再生、戸口川にアユ復活 自然を考える会が群れ確認 鹿児島県奄美大島龍郷町

8/12(日) 13:01配信

南海日日新聞

 鹿児島県奄美大島龍郷町の戸口川上流で、奄美大島だけに天然の個体が残る絶滅危惧種のリュウキュウアユの群れが見つかった。奄美の自然を考える会の泉辰郎会長(79)らが今月1日に現地調査を行い、50匹以上の個体を確認した。泉会長は「河川環境の悪化でほとんど姿が見られなくなっていた。自然の川に戻りつつある」とアユの復活を喜んだ。

 泉会長によると、戸口川には1960年ごろまでアユをはじめ生き物が豊富にいたが、河川開発や採石事業の影響で生息環境が悪化し、アユは次第に姿を消した。

 奄美リュウキュウアユ保全研究会が2008年9月、泉会長の目撃情報を基に潜水調査を行い、約50年ぶりに中流域で10センチほどの個体1匹を確認したが、以降もアユの姿はほとんど見られなかったという。町などは案内板を設置して保護を啓発していた。

 先月末、泉会長が農作業の帰りに上流で泳いでいる5~6匹のアユを発見。自然を考える会、自然と文化を守る奄美会議のメンバーと町職員の4人が1日に現地調査を行い、アユの群れを確認した。

 戸口川では10、11年の豪雨災害を受けて16年度までの5年間、河川改修が行われた。泉会長は「アユが増えたのは、自然石を積む自然工法を採用したからではないか」とみている。アユの復活に「小さい頃は生き物がいっぱいで川は命の源だった。水がきれいになってうれしい。奄美にしかいない宝物を次世代に残したい」と話した。

 リュウキュウアユは琉球列島の固有亜種。体長10~20センチ。海と川を行き来して生活する。沖縄本島では急速な開発による生息環境の悪化で70年代に絶滅し、奄美大島の個体を利用して定着を図っている。奄美大島では奄美市住用町、宇検村の河川を中心に生息。赤土流出などで数が減り、環境省のレッドリストで絶滅危惧種に位置付けられている。県が条例で希少種に指定して保護している。

奄美の南海日日新聞

最終更新:8/12(日) 13:01
南海日日新聞