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過度な国威発揚、中国で批判「国をミスリード」

8/12(日) 14:16配信

読売新聞

 【北京=比嘉清太、鎌田秀男】中国の習近平(シージンピン)政権が、貿易問題などで圧力をかけ続けるトランプ米政権との対決姿勢を強めている。共産党の長老らから苦言を受け、習国家主席にとって逆風となる動きも相次いでいるものの、自らの「強国路線」を堅持する構えのようだ。

 中国政府は8日、約160億ドル(約1・8兆円)相当の米国製品を対象に、23日から25%の関税を上乗せする報復措置を発動すると発表した。米国が中国製品に対する関税上乗せ措置の第2弾を、同じ23日に発動させることに対抗するものだ。中国商務省は「正当な権益を守るため、必要な反撃をせざるを得ない」と、改めて強い姿勢で臨むと強調した。

 出口の見えない米中貿易摩擦を巡っては、7月末の党政治局会議が国内経済への影響を認め、長期化に備えて景気を下支えするためのインフラ投資強化など積極財政策を打ち出した。

 こうした中、習氏の母校・清華大の1000人に及ぶとされる卒業生が、同大の調査研究機関「国情研究院」の胡鞍鋼(フーアンガン)院長の辞職を求める書簡をネット上に公開した。

 胡氏は習政権のブレーンの一人とされ、力を隠して国際協調を優先するトウ小平氏の外交戦略「韜光養晦(とうこうようかい)」を脱却した政権に歩調を合わせ、「中国の国力はすでに米国を上回っている」との見解を表明してきた。中国共産党機関紙の人民日報も10日、米国との貿易摩擦が激化した背景について、米国が中国を自らの覇権を脅かす「最強のライバル」とみているとする評論を掲載し、米国の対中国認識の誤りが原因だと主張した。

 これに対し、清華大卒業生による書簡は、胡氏の見解が「国家と国民をミスリードしてきた」と非難した。過度な国威発揚が米国を警戒させ、米中関係の悪化を招いたとする政権への一部の批判も背景にある模様だ。

最終更新:8/13(月) 10:31
読売新聞