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【奮酉 インタビュー】常に2ピースの答えを更新したい

8/12(日) 12:02配信

OKMusic

『RO69JACK』での入賞や『SUMMER SONIC 2017』に出演を果たすなど、話題の2ピースツインヴォーカルバンド、奮酉が1st EP『はじめのセンセーション』を完成させた。歌詞と音色で独自の世界観を作り上げる高田 蒔(Vo&Gu&Syn)、河西愛紗(Vo&Dr&Syn)のふたりを直撃する!

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──今作品は素晴らしいですね! 曲調はシンプルですけど、歌詞と音色で無限の彩りや想像力を掻き立ててくれる作品で。

高田:あぁ、嬉しいです。間を大事にしているし、音数が少ないことによる気持ち良さみたいなものも表現したくて。

河西:普段の曲作りも2ピースだからこそ自由にやれると思ってて。それが伝わっているのかなと。

──考え方がしっかりしてますよね。それは結成時から?

高田:最初からふたりでバンドを始めようと思っていたわけではなく、3~4人でやろうと思っていたんですけど、同じ熱量の人がなかなかいなくて。最初は2ピースバンドが何かも分かっていなくて、ただふたりで音を鳴らしていた感じだったんですけど、メンテナンス13というバンドがいて、そのライヴを観た時に衝撃を受けて。

──男性ふたり組バンドですよね。

高田:そうです! 音の出し方、間の取り方も、これが2ピースなんだなと。それをきっかけに、2ピースとしてのスタイルを強く意識し始めたと思います。でも、私たちだからできる表現を分かり始めたのは、ようやくここ最近かもしれないですね。

河西:常に2ピースの答えを更新したいと思ってます。

──おふたりが通ってきた音楽と言うと?

高田:高校の頃にELLEGARDEN、ASIAN KUNG-FU GENERATION、RADWIMPS、BUMP OF CHICKEN、チャットモンチー、東京事変…NIRVANAも聴いてました。

河西:私はいろんなジャンルの曲が好きで、ギターロック、ポストロック、ハロプロ、渋谷系とかにも手を出したり。影響を受けたのはふくろうず、LOSTAGE、高校の頃に周りで流行っていた残響系の影響も受けていると思います。あと、奮酉はラップ調の曲もあるんですが、それは泉まくらちゃんとか。マスロックでは最近はloqtoが好きです。

──いろいろ幅広く聴いてますね。

高田:「5:40」はD.A.N.が好きでライヴを観た帰りに曲の主軸を作ったんです。「XYZ…?」はNIRVANAのようなガレージっぽい曲を作りたくて。その意味では全部聴いてきた音楽が消化されてるのかなと。

河西:いろんなジャンルを持ち込む時に2ピースという形態だからこそ、奮酉らしさが出るのかなと。

高田:あと、ベースがあってこそ成立する曲と思われないように、展開や拍子を変えたり、遊び心を入れたりしています。

河西:お互いにストレートじゃないものが好きかも(笑)。どストレートよりはひねくれポップみたいな。

──ふたりが歌えるのもこのバンドの強味ですよね。掛け合い、ハーモニー、ラップとバリエーション豊かですし。

河西:2ピースで楽器が根本的に少ないから、音数が少ない分、ツインヴォーカルであることも重要だと思っています。

──そして、今作は初の全国流通盤ですね。

河西:アレンジが変わった曲もあるし、2ピースを改めて見直して、2ピースを追求する…それが今回のテーマでした。

──2ピースを見直したというのは?

河西:「XYZ…?」はツインヴォーカルの要素を増やしたり、「ccc」はより乗らせるようなドラムを意識しました。

高田:あと、新しく作った「5:40」は新しい試みを入れてます。シンセをループさせたり、一番音を重ねているし、“これ、ふたりでやってるの!?”ってびっくりさせたくて。

──「5:40」はハーモニーも最高です。

河西:苦労しました(笑)。ふたりのハーモニーにリバーブをかけたり、レコーディング現場でいろいろ試しながら完成させました。

──今作の1曲目に「TOKYO」を持ってきた理由は?

河西:この曲はふたりのハーモニーで始まるから、奮酉の個性やスタンスを見せられるなと。今回の収録曲の中では一番古い曲で、ライヴでよく最後にやるこの曲を1曲目に持ってきて、そのあとの曲も魅力的だよって言いたくて。

──そんな「TOKYO」の《10代の僕の秘密基地》という歌詞とか、ノスタルジックな気持ちを掻き立てられる言葉も多くて。

高田:Bメロにはボサノヴァにあるようなコードを持ってきていて、歌詞だけでなくコード感でも懐かしさを演出できてるのかなと思います。

──歌詞と音色を含めて奮酉の音楽はとても身近に感じるんですよ。蛍光ペンというよりも、色鉛筆やクレヨンで書いたような温かみのある音楽だなと。

高田:それは目指しているところなので嬉しいです。どこか遠くの世界というより、身近に感じてほしいと思ってるし。自分たちだから感じられることを等身大で表現したいので。

──かと思えば、「Bon-no!」の《だってお前のための人生なんだろ!》という歌詞には男気を感じました(笑)。

河西:それは嬉しいです(笑)。

高田:まだ歌詞が確定していない状態で、あいしゃ(河西の愛称)がスタジオで歌った時びっくりして。

河西:クサいかなと思ったけど、曲の中で活きるなと思ったので。男気やギャップも大事にしているところですね。

──ラスト曲「ベイベー」はかなりシンプルですね。

高田:シンプルでいい曲を作りたくて。

河西:全曲そういう曲だったら映えないけど、これだけチャレンジしてる6曲があるから直球も響くかなと。

──この曲からは大きな愛を感じました。いい曲ですね。

高田:そうなんです! 男女の愛とかだけじゃなく、親から子へとか、大切な友達へとか、そういう表現できないくらい大きな愛を表現したくて。サビで《baby》と歌ってるんですけど、そこに気持ちを込められるんじゃないかと思って。クサいけど、クサカッコ良いじゃん!って。

──十分伝わってきましたよ。最後にバンドとしての目標は?

高田:2ピースをスタンダードなものにしたくて。よく“珍しいね?”と言われるんですけど、やろうと思えばできるんだよって。あと、高校生の頃に聴いてたバンドの影響って大きくて。チャットモンチーも大好きなので、自分たちもそういうバンドになりたいなと。奮酉の音を通して誰かの人生に確実に入り込んで、影響の源になれるバンドになりたいです。

TEXT:荒金良介

OKMusic編集部

最終更新:8/15(水) 16:58
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