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新国立競技場、定点観測4年 変わりゆく「聖地」

8/12(日) 10:10配信

日刊スポーツ

 東京五輪・パラリンピック開幕まであと2年、主競技場となる新国立競技場も約4割の工事が進み、その威容が明らかになった。来年11月の完成を目指し、現在は最難関の屋根取り付け工事が進む。日刊スポーツでは64年東京五輪メインスタジアムだった国立競技場の定点観測を4年前から実施。半世紀以上の時を経て生まれ変わる「聖地」を、カメラに収めてきた。写真から、東京大会の「顔」が見えてきた。

 高さ50メートル、3層のスタンドが工事現場のクレーンを見つめる新国立競技場。16年12月に始まった本体工事は20カ月を終えた。現在は最も難しいといわれる屋根の取り付け工事。組み立てたものを運び入れ、慎重に作業を進める。来年5月に屋根が終わると、残すは外装、内装や地上部分。いよいよ威容が明らかになる。

 国立競技場は「聖地」だった。58年のアジア大会に合わせて建設され、改修後の64年東京五輪では開閉会式や陸上競技が行われた。その後は、国内最大の競技場としてサッカーやラグビー、陸上などで数々の名勝負が繰り広げられた。トヨタ杯に雪の早明戦。ペレやカズ、平尾に松尾、カール・ルイスも躍動した。

 20年東京五輪に向け「聖地」も生まれ変わる。現在は「新国立競技場」と呼ばれているが、完成後は「国立競技場」として運用されることも決まった。コスト問題やデザインの見直しなどで揺れたが、現時点での工事は順調。建築家の隈研吾氏がデザインした「日本の木材を多用した」競技場が、少しずつ威容を明らかにしてきた。

 今月18日に報道陣に内部が公開された時は、スタンドの気温が40度を超えるほどの猛暑だった。それでも屋根から風を取り込んでスタンドを冷やす工夫や、霧状のシャワーで観客を熱から守る装置などで、本番の時にはある程度は過ごしやすくなるという。五輪、パラリンピック後も、数々のドラマを生むであろう「新国立」。16カ月後には、その全貌が明らかになる。

 ◆杜のスタジアム 鉄骨と木材を組み合わせたハイブリッドな屋根構造、軒ひさしなど伝統的な「和」を意識した。設計のコンセプトは「杜(もり)のスタジアム」で明治神宮外苑の緑に溶け込むことをテーマにしている。

 ◆空の杜 最上階には競技場を1周する約850メートルの遊歩道を設ける。木のぬくもりを感じながら周囲の景観を楽しむ展望スペースで「空の杜」と命名。

 ◆全国から調達 庇(ひさし)と軒に使用されるのは47都道府県の木材。各地の木材は、東京から見てその方角に使用される。設計者の隈研吾氏は「全国の人が心を1つにするため」と話した。

 ◆風創出 最上部の「風の大庇」がスタンドに風を導くほか、スタンド上部に気流創出ファンを設置。入場ゲート付近や競技場内部の一部に水の気化熱を利用した「ミスト冷却装置」を設ける。

 ◆開閉会式 五輪では開閉会式のほか陸上、サッカー(女子決勝)を実施。パラリンピックでも開閉会式と陸上が行われる。

 日刊スポーツ写真部では20年東京五輪・パラリンピックの主会場となる新国立競技場が建設される模様を、約4年前から定点撮影してきました。まだ、旧国立競技場が残る14年7月から撮影を開始。同競技場の解体から、約4割完成した新国立競技場の建設まで、毎月1回撮影しています。

 また、隣接する神宮球場の許可を得て、上空約100メートルからドローンで撮影(ファントム4使用=18年6月22日)。同競技場のみならず、20年の五輪に向け変化を遂げる神宮外苑を撮影しました。

最終更新:8/13(月) 10:53
日刊スポーツ