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観光シーズンなのに閑古鳥 北京ダック老舗店の危機

8/12(日) 11:45配信

東方新報

【東方新報】北京の全聚徳(Quanjude)という名前を聞けば、長らく「北京ダック」の代名詞であり、海外からの観光客が必ず立ち寄るレストランとして知られる老舗の名店である。

 しかし、新興店台頭による業界内の競争が過熱し、消費者の世代交代などもあり、全聚徳の経営危機もそう遠くないところまできている。

 154年の歴史を誇る全聚徳も「寄る年波には勝てぬ」所まで来ているのではと話す業界の関係者もいる。

 ■観光シーズンにも関わらず閑古鳥

 記者は7月下旬、北京市の全聚徳の什刹海(Shenchahai)店、王府井(Wangfujing)店など数店舗に足を運んでみた。しかし、夏季の旅行シーズンを迎えている最中でありながら空席がかなり目立っていた。店の前に観光客が行列をなす光景を見ることもない。

 かつて全聚徳は、観光客が北京に訪れた際には必ず立ち寄る場所とまで言われていた。しかし、記者が現場で見た限り、そのような面影は一切感じられなかった。中国の老舗北京ダックブランドを誇っていたが、「全聚徳こそが本場北京ダックの名店」という消費者の認知度も、徐々に薄れつつあるようだ。

 北京に訪れたある観光客は、「北京に来た時には必ず北京ダックを食べるけれど、スマホで店舗情報を調べてみると全聚徳の評価がそれほど高くない。店の雰囲気も普通で目新しさもないので、評価がさらに高い別の北京ダック店を選んでしまう」と話す。

 全聚徳が直面する問題について、中国食品産業アナリストの朱丹蓬(Zhu Danpeng)氏は、「ブランド力が老化していることと商品のイノベーションやアップグレードの欠如。さらに人気料理のジャンルや選択肢が増えた結果、消費者が北京ダックを食べなくなった」と指摘する。

 このことは、「北京ダック」をセールスポイントとする全聚徳にとって、ほかの北京ダックを出す店との競争が大きな課題となるということだ。

 北京市で全聚德と同様に知名度のある大董烤鴨店を訪れた。店内は客層こそ中・高収入層とおぼしき消費者が多いが、観光客が特に密集する王府井地区にあるため、店は混んでいた。

 夕食の時間帯を過ぎた午後9時という遅い時間にもかかわらず、店内は少しの空席がある程度。この時間を過ぎても、客が訪れ料理を注文していた。店員は、「毎日午後6時から8時にかけて行列が多く、最も多い時で70~80席が埋まる」と話す。

 一方、業績の伸び悩む全聚德。100年超の伝統を持つブランドとして今後、いかにして当面の危機を乗り越え、さらにその先へ行くためにはどうすべきなのか。

「全聚德がイノベーションを起こす可能性はほとんどない。今後はブランド力と料理の品質、また企業としての資本力を利用し、優良な企業株の買収など進めていくことが解決への道になるだろう」と朱氏は話している。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:8/12(日) 11:55
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