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夏休みは金に羽が生える季節 中国の平均費用は9万円

8/12(日) 15:05配信

東方新報

【東方新報】中国に住む唐ちゃん(11)は、夏休みを利用して米国に「遊学」に行くことになった。旅程はわずか13日だが、母親の秦さんは3万元(約50万円)の費用を支払った。遊学のほかにも、娘のために夏休みの習い事に5000元(約8万800円)を支払った。合わせると、この夏休み期使ったお金は4万元(約65万円)を越える。

 広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)柳州市(Liuzhou)の李さんの子どもは、小学校入学目前だ。夏休みを有意義に過ごさせるため、李さんは八つの習い事に申し込んだ。1週間に7日間、つまり毎日授業がある。

 夏休みは本来、子どもたちは学校の教室を離れ、静かな環境で十分な休息を取らねばならない。しかし、学校から解放されるはずのこの時間は、保護者が子どものために大いに勉強をさせる最高のチャンスとなっている。子どもは休息を得られず、保護者は経済的に苦しむ。金に羽が生えてどんどん飛んでいく。

 北京大学(Peking University)中国教育財政科学研究所(China Institute for Educational Finance Research)の資料によると、夏休み中の小中学生が学校外の勉強へ参加する割合は48.3%で、平均の学費は5616元(約9万750円)だという。

 また、一部の補習校では、学校の教育プログラムより早めに教えることで、保護者の焦りを刺激する。学校では、多数の子どもが補習校ですでに学習し終わっているため、学校の教育計画を逆に早める対応を取る場合もあり、保護者が恐れや焦りを感じる要因となっている。

 ■「遊学」市場は過熱

 しかし、こうした習い事の費用対効果は決して良くない。例えば、「研修旅行」が近ごろ流行っており、旅行を提供する「訓練機構」が数多く参入し、異常なほど過熱している。

 中国外への旅行商品に「遊学」の名前を付けて、価格だけ高く設定する会社もある。実際は、大学や博物館、図書館などの公共施設の見学しか予定に組み込まれていない。この種の商品は価格だけが高く、内容的には薄っぺらなもので、遊学の遊びだけで学びは入らない。

 こうした市場環境で、保護者たちに求められることは、よく目を凝らして、理性的に、慎重にコースを選択し、お金さえ支払えば良しというような考えは望ましくない。

 子どもの夏休みにぎっしりとイベントを入れることは、必ずしも最良な教育方式ではない。北京の一部の訓練機構では、1日に5科目計10時間といった高密度のコースを設定している。大人でもきついと感じられるほどで、子どもにとってはかなり厳しい。こうした学習環境では、子どもは集中して勉強をすることは難しく、逆に勉強を嫌がってしまい効果は上がらない。

 長い間、国は小中学生の「負担軽減」に取り組んできたが、負担軽減は国や学校だけでは実現しない。保護者の協力が不可欠だ。保護者は教育の基本的規律を尊重し、子どもの成長を、時間とお金をすり減らすだけのゲームにしてはならない。子どもには自分で自主的に決められる余裕を与え、自分の考えと趣味に基づいて夏休みの過ごし方を決めさせるべきだろう。(c)東方新報/AFPBB News

※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。

最終更新:8/12(日) 22:50
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